研究課題/領域番号 |
14571566
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松崎 利也 徳島大学, 医学部, 講師 (70294692)
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研究分担者 |
苛原 稔 徳島大学, 医学部, 教授 (20160070)
安井 敏之 徳島大学, 医学部附属病院, 助教授 (40230205)
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キーワード | レプチン / オレキシン / グレリン / GnRH / LH |
研究概要 |
本研究は、摂食調節因子の性機能への影響を包括的に解明することを目的としている。 1.レプチンは、体内のエネルギーの蓄積量を中枢に知らせるシグナルであり、食欲を抑制的に調節する。また、性機能の維持にも不可欠と考えられており、視床下部、下垂体の各レベルで性腺系を促進的に調節する事も知られている。レプチンのゴナドトロピン促進作用には至適濃度があることを以前報告したが、今回は思春期前後のラットの下垂体を用いて細胞初代培養系を用いて、レプチンのLHとFSHの分泌促進作用につき検討した。思春期前の幼弱期(4週齢)、思春期(6週齢)、性成熟期(8週齢)のそれぞれの下垂体前葉細胞に対するレプチンのLHおよびFSHの産生、放出に対する作用は、GnRHの存在下および非存在下ともに異なる週数間で至適濃度が異なり、その至適濃度はその週におけるレプチンの血中濃度にほぼ一致することを解明した。 2.摂食促進因子オレキシンがゴナドトロピン分泌抑制作用を持つことを以前報告したが、その神経学的経路としてNPYの関与を検討するため、今回は基礎的な検討として、卵巣摘出ラットの第3脳室内にNPY Y1 antagonistを投与し留置カテーテルから採血を行いLH分泌の推移を検討した。その結果、Y1 antagonistは単独でLH分泌を抑制する作用をもつことが判明し、オレキシンによる性機能抑制の解除実験には適さないことが分かった。今後はNPY抗体を用いて検討を行う予定である。 3.摂食促進因子グレリンの性機能に及ぼす影響については、卵巣摘出ラットの脳室内にグレリンを投与し、経時的に採血を行い、LHのパルス状分泌を検討した。グレリン投与群ではLHのパルス状分泌の頻度が低下し、視床下部レベルでGnRHのパルス状分泌を抑制し、性機能を抑制する作用を持つことを解明した。
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