研究課題/領域番号 |
14571587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
正岡 直樹 日本大学, 医学部, 講師 (50199668)
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研究分担者 |
永石 匡司 日本大学, 医学部, 講師 (70297810)
早川 康仁 日本大学, 医学部, 助手 (10350018)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 胎児脳神経障害 / 臍帯 / 低酸素-虚血-再還流 / 活性酸素 / 抗酸化剤 / 子宮内治療 |
研究概要 |
原因不明の胎児期における脳神経障害発症の要因について、胎児が死亡に至らない程度の一過性の臍帯血流遮断に着目した。 羊胎仔慢性実験モデルを用いて3分毎に1分間の間歇的臍帯血流遮断を施行することよって、胎仔脳組織中においてhypoxanthineからxanthineへの代謝亢進に起因するsuperoxideが大量に発生すること、NO濃度は漸減していくこと、興奮性アミノ酸であるglutamateの濃度が増加し、抑制性アミノ酸であるGABAが低下することを報告した。一方、10分間の持続的臍帯血流遮断、再還流実験においては、hydroxyl radicalが再還流時に大量に産生されること、NO濃度は血流遮断直後より上昇し、その発生が血流遮断開放後も遷延することを報告した。 これらの基礎データをもとに低酸素-虚血-再還流時に発生する各種oxygen free radicalの発生を抑制すること、とくに血流再開後、可及的早期に対応するため、経胎盤的な治療を目的とした。 間歇的臍帯血流遮断時に母獣にxanthine oxidase阻害剤であるallopurinolを投与することにより、superoxide発生を抑制し得ることを胎仔脳透析液における化学発光実験で証明した。さらに持続的臍帯血流遮断群においては、現在脳梗塞の治療薬として臨床で繁用されているhydroxyl radical scavengerであるedaravoneを母獣に投与することによって、胎仔脳組織中に大量に発生するhydroxyl radicalを完全に抑制し、さらに胎仔脳神経障害発症を明らかに軽減させることを病理組織学的検討でも証明した。 以上の結果からallopurinol、edaravoneは低酸素-虚血-再還流によって惹起される胎児脳神経障害に対し有力な子宮内治療薬となる可能性が示唆された。
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