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2002 年度 実績報告書

ウイルス性内耳炎の基礎的・臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14571601
研究機関北海道大学

研究代表者

福田 諭  北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125347)

研究分担者 古田 康  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60261301)
キーワード内耳ウイルス感染 / ムンプス難聴 / ムンプス不顕性感染 / 抗ムンプスIgM抗体 / 予防接種 / 潜伏感染・再活性化 / ヘルペスウイルス / 突発性難聴
研究概要

1)予防接種を軸としたウイルス性難聴の予防
この研究の軸となるムンプス難聴臨床例について検討した。その結果、非特異例からムンプス難聴の病態を再検討できた。特に抗ムンプスIgM抗体の測定においては、頻度は少ないものの、特異な経過を示すことがあり、再検討が必要である。またムンプス難聴症例もいずれもムンプスワクチン未接種であった。任意接種であるのでムンプスワクチン出荷数から接種率を割り出すと30〜40%程度であった。ムンプス難聴が増加傾向にあり、最近の報告数も少なくなく、また不顕性感染による症例も突発難聴症例にあることから、ワクチンによる難聴予防は予防医学的見地から非常に重要あると考えられた。
2)内耳ウイルス潜伏感染と難聴発現の機構の解明
ヒト病理解剖で了解の得られた症例において側頭骨を摘出後、蝸牛ラセン神経節を摘出・保存し分子生物学的にHSV-1、VZV等のウイルスゲノムの検索を行う、という趣旨であったが、特定機能病院の性格、ホスピス等の出現で、以前ほど当院で死期を看取る患者様が少なくなり、さらに開頭許可が得られその上で側頭骨摘出を許可される方は年度内には残念ながらおられなかった。2年計画なので、関連病院例などを中心にしていくことを考慮に入れないと、現実的には貴重な臨床症例から望みうる検体を了解下に提供して頂くことは容易ではない時代になってきた。
3)突発性難聴におけるウイルス迅速診断の臨床応用
特定機能病院、急性期型病院とのすみ分けにより、突発性難聴新鮮例は当院にあまり受診しなくなったのが現況で、少数例での唾液採取で陽性・擬陽性はなかった。
次年度は、関連病院を含めた症例数確保に全力をあげ、ヒト臨床例から検索する内耳ウイルス感染の病態に迫っていきたい。

  • 研究成果

    (10件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (10件)

  • [文献書誌] 古田 康: "Bell麻痺におけるアシクロビルとプレドニゾロン併用療法"第8回ヘルペス感染症フォーラム講演集. 45-48 (2002)

  • [文献書誌] 福田 諭: "ウイルス性内耳炎"耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 74. 668-676 (2002)

  • [文献書誌] 福田 諭: "特集 急性感音難聴、5.ムンプス難聴"耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 74. 856-861 (2002)

  • [文献書誌] 古田 康: "唾液中VZVDNA量によるHunt症候群の予後判定"Facial Nerve Research. 22. 25-27 (2002)

  • [文献書誌] 大谷文雄: "Hunt症候群におけるVZV再活性化動態について"Facial Nerve Research. 22. 50-52 (2002)

  • [文献書誌] 相澤寛志: "末梢性顔面神経麻痺症例におけるVZV再活性化の血清診断、EIA法における抗VZV IgG抗体価の変動について"Facial Nerve Research. 22. 53-55 (2002)

  • [文献書誌] 中丸裕爾: "内耳障害で発症したrelapsing Polychondritisの1例"アレルギーの臨床. 22. 1115-1119 (2002)

  • [文献書誌] 福田 諭: "ムンプスと難聴"Medical Practice. 19. 12-16 (2002)

  • [文献書誌] 福田 諭: "耳鼻咽喉科におけるウイルス感染症への対応"ENT Today. 10. 1-3 (2002)

  • [文献書誌] 福田 諭: "19.耳鼻咽喉疾患、突発性難聴、総編集:亀山正邦、高久史磨、「今日の診断指針」第5版"医学書院(東京). 4 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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