研究課題/領域番号 |
14571602
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古田 康 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60261301)
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研究分担者 |
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
福田 諭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125347)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 水痘帯状疱疹ウイルス / VZV DNA量 / Real-time PCR / 抗VZV抗体 / Ramsay Hunt症候群 / Bell麻痺 / Zoster sine herpete |
研究概要 |
1 唾液中VZV DNA量によるHunt症候群の予後判定 Hunt症候群において唾液中VZV DNA量が高値を示す例、口腔・咽頭に疱疹を認める例では麻痺の回復が不良であることを明らかにした。 2 Hunt症候群におけるVZV再活性化動態 Hunt症候群において疱疹は再活性化の活動期に発症することが多いが、麻痺はVZV再活性化の様々なtimingで発症することを明らかにした。麻痺の発症機序は解剖学的要因・神経炎の発症機序の違い・神経炎に伴う病態進行状況の違いなどの影響を受けると考えられた。 3 末梢性顔面神経麻痺症例におけるVZV再活性化の血清診断 VZV IgG抗体価の変動が2倍以上の例をVZV再活性化と診断するのが妥当であることを明らかにした。しかし、VZV再活性化例において抗体価の変動が2倍未満のことがあり、IgM抗体価、PCRの結果と合わせて診断する必要がある。 4 Hunt症候群における第8脳神経症状とVZV再活性化動態 Hunt症候群においてVZV再活性化の程度は第8脳神経症状の発症の有無と相関しないと考えられた。また、第8脳神経症状は、膝神経節から再活性化したVZVよる炎症が波及して症状を呈する例の他に、ラセンまたは前庭神経節からも同時に再活性化して症状を呈する例があるものと考えられた。 5 小児末梢性顔面神経麻痺症例のウイルス学的検討 6〜15歳の小児症例においては過半数がVZV再活性化症例であることを明らかにした。また、成人Bell麻痺症例と異なり、小児Bell麻痺症例においてHSV-1再活性化はBell麻痺の主要病因ではないことが推測された。 6 Bell麻痺における非治癒症例の検討 Bell麻痺と臨床的に診断された症例のうち、非治癒例について検討した。Bell麻痺と臨床診断された症例の非治癒例においてはVZV, HSV再活性化例が高頻度で認められることが判明した。
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