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2003 年度 実績報告書

内耳障害に対する局所投与治療の向上のためのstrategy

研究課題

研究課題/領域番号 14571614
研究機関名古屋大学

研究代表者

曾根 三千彦  名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30273238)

キーワード中耳炎 / 内耳障害 / 血流 / 局所治療 / NOS阻害剤 / HSP
研究概要

急性中耳炎による内耳障害を、ラットを用いた蝸牛外側壁の血流障害の観点より検討したところ、中耳炎発症後1日目には有意な血流の低下を認めたが、14日目には改善していた。この所見は、組織学的にも裏付けられた。プロスタグランディンE_1(PGE_1)を正円窓に局所投与したが、中耳炎発症早期では血流の増加はわずかであった。エンドトキシン投与時及び12時間後にNOS阻害剤を皮下投与した群では、発症後1日目の有意な血流低下は軽減で、PGE_1投与の反応の増加も認められ、蝸牛外側壁血管周囲組織の障害も軽減できた。Cationic liposomeを用いた局所遺伝子導入のための基礎実験で、TMAG MLV PEGFP-Cl (2nmol)をモルモット内耳に直接正円窓経由で注入し、共焦点レーザーにおいて観察したが、遺伝子を含まないCationic liposome群と有意な差は見られなかった。エンドトキシン鼓室内投与後にDexamethasone、NOS阻害剤を鼓室内追加投与し、PBS投与群と比較検討した。Dexamethasone投与群、NOS阻害剤投与群ともに中耳炎発症1日目の血流障害は、有意に軽減できた。これらの群では、PGE_1局所投与の反応も良好であった。DexamethasoneおよびNOS阻害剤の効果は、ともにiNOSによる組織障害を抑制したことによると考察された。次にheat shock protein (HSP)の発現およびその予防的投与法の効果を検討した。Geranylgeranylacetone(GGA)を全身および局所投与した。投与後、ともに内耳にHSP70の発現をみた。GGA経口投与後に中耳炎を発症させ、内耳障害に対する効果を検討した。この結果、電顕的に血管条細胞間隙の増大を有意に抑制する結果が得られた。GGAの局所投与自体も予防的投与として有効と考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 曾根 三千彦: "中耳炎に伴う蝸牛外側壁障害-Geranylgeranylacetone鼓室内による影響-"Otology Japan. 13. 426 (2003)

  • [文献書誌] Michihiko Sone: "A comparative study of intratympanic steroid and NO synthase inhibitor for treatment of cochlear lateral wall damage due to acute otitis media"Eur J Pharmacol. 482. 313-318 (2003)

  • [文献書誌] Michihiko Sone: "Intratympanic administration for disturbances of cochlear blood flow due to acute otitis media"Abstract of 26th ARO meeting. 267 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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