研究課題/領域番号 |
14571615
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
竹内 万彦 三重大学, 医学部, 助教授 (50206942)
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研究分担者 |
岸岡 睦子 三重大学, 医学部, 助手 (10314113)
間島 雄一 三重大学, 医学部, 教授 (60024791)
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キーワード | 鼻粘膜 / ヒスタミン / H3受容体 / 粘膜下腺 / シナプス / 粘液分泌 |
研究概要 |
鼻粘膜におけるヒスタミンH3受容体の局在を調べるために、まず、通年性アレルギー性鼻炎患者10名の下鼻甲介粘膜よりRNAを抽出し、RT-PCRを行ったが、ヒスタミンH3受容体のmRNAは検出できなかった。次に通年性アレルギー性鼻炎患者の下鼻甲介粘膜におけるヒスタミンH3受容体の蛋白の発現をAlpha Diagnostic社の抗体を用いて免疫組織化学により検討した。その結果、粘膜下腺の周囲に陽性のシグナルがみられた。RT-PCRの結果とあわせて考えると、ヒスタミンH3受容体は粘膜下腺細胞の基底膜側に存在するというよりは、粘膜下腺細胞に分布する神経の末端、すなわち、シナプス前に存在する可能性が高いと考えられる。ヒスタミンH3受容体の役割については粘液分泌の制御に関与している可能性があり、ラットを用いて、ヒスタミンH3作動薬およびヒスタミンH3拮抗薬を用いて粘膜下腺細胞の粘液物質をalcian blue-PAS染色にて検討した。まだ例数が少ないが、これまでのところではヒスタミンH3受容体が粘膜下腺細胞のムチン分泌に関与する明らかな確証は得られていない。また、ヒスタミンが鼻粘膜の透過性に及ぼす影響をin vivoにて検討した。ヒスタミンを正常な鼻粘膜に添加したところ10^<-2>M及び10^<-3>Mでは鼻粘膜の電位差に影響を及ぼさなかったが、10^<-1>Mでは電位差が有意に低下した。また、モルモットの鼻腔に5.4x10^<-1>Mのヒスタミンを還流したところhorseradish peroxidaseの透過性が明らかに亢進した。しかし、この作用はH1受容体を介するものであった。
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