研究課題/領域番号 |
14571631
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
廣田 栄子 国際医療福祉大学, 保健学部, 教授 (30275789)
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研究分担者 |
武智 司尾子 国際医療福祉大学, 保健学部, 助手 (70316628)
久保田 正人 千葉大学, 外国語センター, 教授 (20125925)
樺沢 一之 国際医療福祉大学, 情報教育センター, 教授 (70095785)
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キーワード | 聴覚言語障害児 / 言語機能評価法 / 多感覚モダリティー / 統語論的発達 / パソコンプログラム |
研究概要 |
I.研究目的:幼児期初・中期における言語発達に関する体系的な統語論的評価法を開発し、近年の新生児聴覚検査による早期診断や各種先進医療(人工内耳,デジタル補聴器)がもたらす成果を定量的に評価する臨床システムを開発することを目的とした。 II.評価法:1)言語の統語的側面について語の「選択制限」「語順」「助詞」「主題関係」の言語規則について言語障害段階の分析システムを作成した。パソコンプログラム化によって2)検査文を聴覚と視覚の単独または多感覚を併用した形式により提示し、症例に優位な感覚経路を比較し、統語理解能力の評価を実施できるようにした。その結果、3)小児の応答の興味を持続させながら、4)臨床場面で聴覚医学的・言語病理学的な資料の収集を可能にした。 III.研究実績 1.言語機能評価法の作成:幼小児期の統語面の言語規則について、評価用の問題文を作成した。回答または誤答結果の解析によって統語面の障害段階を評価できるように問題文を構成した。 2.問題文の録画・録音:問題文をアナウンサーに音読させ画像・音声を収録し、口型および語音聴取の観点から適切なサンプルを選択し、音圧・時間調整および画像調整など編集した。 3.言語機能評価については次のようなパソコンプログラムを作成し、システムを構築した。 (a)検査絵図版をパソコン画面に提示後に問題文を提示する。問題文の正否について被検者がタッチパネル上で回答する。(b)問題文の提示法は、聴覚経由条件((1)音声)と、聴覚経由に視覚条件を併用した視覚・聴覚多感覚併用条件((2)口型、(2)文字、(3)手話)の計4条件とする。(c)被検者が選択した問題文提示条件ごとに結果を分析し、出力を行う。 4.実用性の検討:統語規則について獲得段階にある聴覚言語障害児1例に試行し、システムプログラムの修正を加え、臨床評価としての実施条件・方法を検討している段階にある。
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