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2003 年度 実績報告書

上気道粘膜における好酸球性炎症の病態とその治療

研究課題

研究課題/領域番号 14571635
研究機関帝京大学

研究代表者

飯野 ゆき子  帝京大学, 医学部, 教授 (30108534)

研究分担者 片野 宏明  帝京大学, 医学部, 助手 (70297141)
柿崎 景子  帝京大学, 医学部, 助手 (90297143)
キーワード好酸球 / 中耳炎 / 副鼻腔炎 / 好酸球遊走因子 / エカレクチン / RANTES / EG2
研究概要

副鼻腔炎や中耳炎において好酸球浸潤が優位な病態があり、それぞれ好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎と呼ばれ非常に難治な病態を形成している。そこで私共は慢性副鼻腔炎と慢性中耳炎症例において、組織学的に好酸球の浸潤の有無を調べ、それらの症例の臨床像と比較した。またこれらの粘膜組織を免疫組織学的に調べ、特に好酸球遊走因子の発現に関して検討を加えた。慢性副鼻腔炎症例の鼻茸組織には、下甲介粘膜に比べて多数の好酸球が見られ、特にアレルギー素因のある症例、喘息合併例で著明であった。これらの好酸球はEG2陽性であり、より活性化されていると考えられた。またエカレルチン陽性細胞、RANTES陽性細胞も粘膜下組織に存在し、EG2陽性細胞数と正の相関が見られた。一方慢性中耳炎症例では喘息を合併し粘調な貯留液を有するいわゆる好酸球性中耳炎症例において多数の好酸球、EG2陽性細胞が観察されたが、これらの中耳粘膜においてもエカレクチンやRANTES陽性細胞が多数観察され、特にエカレクチン陽性細胞数とEG陽性細胞数の間に正の相関がみられた。さらにin situ hybridization法により、エカレクチンのmRNAの発現を副鼻腔粘膜と中耳粘膜において調べたところ、好酸球浸潤が多い症例にてこのmRNAの発現が認められた。一般に好酸球性炎症の制御にはステロイドが用いられる。そこでこれらの症例に対し、ステロイド薬を局所投与し、その前後の粘膜を免疫組織学的に検討したところ、好酸球遊走因子の発現が減少するとともに好酸球数の減少も認められた。以上から好酸球の局所集積にはエカレクチンやRANTESなどの好酸球遊走因子が深く関与していると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 飯野ゆき子, 他: "好酸球性中耳炎の中耳粘膜における好酸球遊走因子の発現"耳鼻咽喉科免疫アレルギー. 21巻・2号. 28-29 (2003)

  • [文献書誌] Takahashi K, Iino Y, et al.: "Temporal bone histopathology and quantitative analysis of mitochondrial DNA in MELAS"Laryngoscope. 113. 1362-1368 (2003)

  • [文献書誌] Iino Y, et al.: "Nasopharyngeal flora and drug susceptibility in children with macrolide therapy"Larngoscope. 113. 1780-1785 (2003)

  • [文献書誌] Kakizaki K, Iino Y, et al.: "Acoustic trauma : temporal bone study"Otol Neurotol. 24・6. 965-966 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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