LPSに加えグラム陽性菌の菌体成分であるペプチドグリカン(PGN)やリポタイコ酸(LTA)や、細菌由来物質であるスーパー抗原(たとえばブドウ球菌由来のSEAやSEBなど)を用い鼻腔線維芽細胞を刺激し、好酸球遊走因子(RANTES、Eotaxin)を産生、遊離するかELISA法とRT-PCR法で検討した。PGN、LTAでは、LPSと同様にRANTESの産生がみられた。スーパー抗原刺激でのRANTES産生は少量であった。また、LPS、PGN、LTAとIL-4を組み合わせて刺激すると、鼻腔線維芽細胞や他の部位の線維芽細胞が好酸球遊走因子(Eotaxin)の産生がみられた。特にLPSとIL-4の組み合わせ刺激では、eotaxinの相乗的産生が強くみられた。したがって慢性副鼻腔炎などの鼻疾患において線維芽細胞が炎症を誘導する重要な細胞であることが強く示唆された。また鼻疾患において線維芽細胞は好酸球浸潤と深く関わっていることが示唆された。
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