研究概要 |
昨年までの研究で鼻副鼻腔線維芽細胞は、LPSなどの菌体成分と直接反応することがわかり炎症誘導細胞としての役割が解明されつつある。最近、種々のToll like receptor(TLR)とそのリガンドが明らかになっている。TLR2 ligandsとしてLTA,Pam_3CSK4,PGN,Zymosan,TLR3 ligandとしてPoly(1:C),TLR4 ligandとしてLPS,TLR5 ligandとしてflagellin,TLR7/8 ligandとしてssPolyU,TLR9 ligandとしてDNAが入手可能になった。これらTLR ligandsに対する鼻副鼻腔線維芽細胞の反応性を検討している。これまでの鼻副鼻腔線維芽細胞のLPSに対する反応性に加え、TLR2,3,5に対しても反応性があり、外界とも門戸である鼻副鼻腔は線維芽細胞を通して自然免疫に深く関与していることが分かってきている。現在、好酸球や好塩基球などの遊走因子であるRANTESが、どのTLR ligands刺激で線維芽細胞から産生されるか、その産生がIFN-γとの同時刺激でどのように変化するか検討している。
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