研究概要 |
ヒトゲノム解析の結果を参考にしながら、ヒトgDNAにおけるCOCH遺伝子上流の遺伝子配列800bp程度を決定し、クローニングした。現在、転写に重要なエンハンサーの同定を行うため、トランスフェクシヨンを行う対象とする細胞の培養を行っている。 Grabskiら(Cell Biology,アラバマ大学)はHeLaを用いて,Robertsonら(Obstetrics, Gynecology and Reproductive Biology, Harvard大学)は,293T(human embryonic kidney cells)を用いた。その結果,それぞれ細胞内には,63kDa,60kDaの1種類の蛋白のみしか検出されなかった。さらに遺伝子導入細胞lysateのみならず,その培養液の免疫沈降反応を行いかなり詳細に検討している。その結果得られたCochlin様蛋白は,それぞれ60,50kDaと69kDaであった。これらの結果は、我々がウシやヒトの内耳組織、外リンパを用いて解析した結果とは大いに異なる結果であった。この事実はCochlinの転写後調節,蛋白レベルでのプロセシングは内耳細胞特異的であることを示唆している。 以上のことから、COCHプロモーター解析に最も適した細胞は齧類螺旋靱帯の繊維芽細胞プライマリカルチャーであると判断し、至適培養条件の設定とトランスフェクション実験を継続中である。
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