研究概要 |
平成14年度からの経緯 人工内耳植え込み術において、挿入電極の先端が蝸牛内のどの位置にあるかをイメージガイド下に術中に確認することを目的に、実験用ネコの蝸牛骨迷路をCT撮影し、ナビゲーションモニターとして画像再構築を試みたが、解剖学的構造とサイズとからモデルとしてはふさわしくないことが明らかとなっためヒト側頭骨標本を用いることとした。次に電極先端の自由度補正装置と仮想位置化するソフトを開発しCT再構築画像上で表示できるように試みたが、申請したワークステーション(O2)は画像の処理能力、3次元位置検出ならびにリアルタイム性において問題があり、新たにVolume Pro 1000-1GおよびVLIライセンス(ライブラリー)とCPUを購入することになった。 平成15年度研究成果 1,画像撮影と再構築化について(村田英之が担当):ヒト側頭骨標本ならびに正常ボランティアの蝸牛骨迷路のCT画像を撮影し、3次元画像ならびに仮想内視鏡像を再構築することができた。人工内耳挿入の位置確認には問題ないが、しかし現在のCTの能力では蝸牛鼓室階までの描出は困難であった。 2,システムプログラムの開発について(温 慶華が担当):新しいグラフィックボードとして上記のVolume Pro 1000-1G他を用いることで、側頭骨の3次元立体構造の再構築と人工内耳電極位置ならびに自由度補正のためのシステムを立ち上げることができた。画像再構築の部分で加納 滋氏(耳鼻咽喉科医師、富山県)に協力を求めた。 3,ヒト側頭骨ならびに動物での応用実験について(友田幸一が担当):従来の蝸牛挿入用のダミー電極を用いて応用実験を行ってきたが、位置確認において大きく誤差が生じる場合のあることが判明した。その原因として電極の材料、形状、強度などの問題が考えられ、今後改良が必要であると判断された。
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