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2002 年度 実績報告書

骨髄幹細胞を用いた蝸牛細胞の再生の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14571648
研究機関関西医科大学

研究代表者

岩井 大  関西医科大学, 医学部, 講師 (10232638)

研究分担者 稲葉 宗夫  関西医科大学, 医学部, 助教授 (70115947)
キーワード過大音響負荷 / green fluorescence protein / トランスジェニックマウス / 感音難聴 / 螺旋神経節細胞 / 骨髄移植 / 免疫 / 再生
研究概要

1.螺旋神経節細胞の早期萎縮により早期老人性難聴が生じるSAMP1マウスに対し、蝸牛障害発症前にGFPマウスからの骨髄を移植した。GFPマウスとは、C57BL/6マウスにGFP (green fluorescence protein)遺伝子を導入され、骨髄細胞を含む自己の細胞すべてが蛍光を発するトランスジェニックマウスである。結果を見ると、骨髄移植後5ヶ月で無処置SAMP1マウスに比し、難聴の進行が有意に予防できた。今後、側頭骨の病理組織学的、免疫組織化学的検討を行い、移植された細胞が蝸牛に到達し局所で生存し、蝸牛細胞に変化して蝸牛を再生するか、もしくは免疫担当細胞に分化してこの部の蝸牛細胞の維持・再生に関与するかにつき検討する。
2.過大音響負荷で聴覚正常マウスに中等度以上の感音難聴を発生させる方法を確立した。また、このマウスにGFPマウスからの骨髄を移植した。音響負荷翌日に放射線照射と骨髄移植が行われた群では、ストレスが短期間に集中するためかマウスがすべて死亡した。音響負荷2週後に照射と移植がされたマウスではすべて生存したが、移植3ヵ月後のABRで聴力の改善は明確でなかった。今後、前項と同様の局所観察を行うとともに、音響負荷後のいつ骨髄移植を行えば聴力改善に有効かを検討する。
3.SAMP1マウスを2群に分け、免疫機能の疲弊・低下するとされるコンベンショナル(感染に無防備)な環境と、そうでないSPF (specific pathogen-free)の環境とで飼育した。すると、前群のマウスでは後群に比し免疫力の低下と難聴の進行が著明であった。したがって、SAMP1マウスの示す早期老人性難聴の発生・進行機構には、蝸牛に対する全身免疫機構、とくに骨髄・免疫担当細胞の作用が大きいと考えられ、これらの細胞が、SAMP1マウスで特異的に損傷される螺旋神経節細胞の維持や再生に関与していることが考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Iwai H, et al.: "Correlation between accelerated presbycusis and decreased immune function"Exp Gerontol. 38(3). 319-325 (2003)

  • [文献書誌] Iwai H, et al.: "Magnetic resonance determination of tumor thickness as predictive factor of cervical metastasis oral tongue"Laryngoscope. 112. 457-461 (2002)

  • [文献書誌] Iwai H, et al.: "Neoglottic formation from posterior pharyngeal wall conserved in surgery for hypopharyngeal cancer"Auris Nauris Larynx. 29. 153-157 (2002)

  • [文献書誌] Iwai H, et al.: "Secondary shunt procedure for alaryngeal patients on an outpatient clinic"Acta Otolaryngol. 122. 661-664 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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