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2004 年度 実績報告書

プロテインキナーゼC阻害によるTNFα耐性克服とそのシグナル伝達機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14571649
研究機関近畿大学

研究代表者

西田 升三  近畿大学, 薬学部, 助教授 (40208187)

キーワードTNFα / PKC / シグナル伝達 / 薬剤耐性
研究概要

【目的】腫瘍壊死因子であるTNF-αは、多くの細胞種において耐性を示す事が報告されている。TNF-αはFasなどと共にアポトーシスシグナルを活性化するが、それと同時に生存シグナルも活性化され、これが耐性の原因と考えられている。この生存シグナルとしてNF-κBが報告されているが、詳細は不明である。今回、このTNF-αに耐性を示す悪性黒色種細胞株BL-6において、PKCを阻害する事でこのTNF-αの耐性を克服する事を見出すとともに、その耐性機序の解明を試みた。
【方法】B16melanomaBL-6細胞を使用し、PKC、Akt、MEK及びP-38を阻害後、TNF-αによる細胞死をWST-8法により測定した。また、H7によりPKC阻害後のNF-κB、MEK及びJNKの活性をウエスタンブロット法により検出した。
【結果および考察】BL6細胞にTNFαを添加しても、その増殖に全く影響を及ぼさなかった。しかし、PKC阻害剤であるH7処理後TNF-αを作用させた結果、ほとんどの細胞において細胞死を誘導した。この時、生存シグナルであるNF-κBは活性化していた。そこでNF-κB以外の生存に関わるシグナルを検討した結果Akt、ERKの減少が認められ、特にERKのリン酸化の減少が著しい結果を示した。そこで、Akt阻害剤であるLY、MEK阻害剤であるU0126で処理後、それぞれにTNF-αを投与すると、細胞死を誘導し、これらのシグナル阻害剤が有用な抗がん剤として利用可能であることが示された。また、この時、NF-κBについてはPKC阻害に伴うタンパク発現に大きな変化が認められなかった。このことからBL-6細胞のTNF-αに対する耐性は、Aktの生存シグナル、と特にPKC、Raf及びMEKを介した生存シグナルが重要である事が認められた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] C-kinaseそがいによるTNFα壊死効果の増強機序2004

    • 著者名/発表者名
      西田升三, その他
    • 雑誌名

      Cancer Science(Supplement) 95

      ページ: 469

  • [雑誌論文] Mevastatinによる造血系腫瘍細胞株に対するアポトーシス誘導能2004

    • 著者名/発表者名
      西田升三, その他
    • 雑誌名

      Cancer Science(Supplement) 95

      ページ: 490

  • [雑誌論文] Diethyldithiocarbamate can induce two different type of death ; apotosis and necrosis mediating the differential MAP kinase activation2004

    • 著者名/発表者名
      Nishida, et al.
    • 雑誌名

      生化学 76

      ページ: 1089

  • [雑誌論文] Apoptosis-inducing effect of mevastatin on various hematopoietic tumor cell lines2004

    • 著者名/発表者名
      Nishida, et al.
    • 雑誌名

      生化学 76

      ページ: 1104

  • [雑誌論文] Diethyldithiocarbamate can induce two different type of death : apoptosis and necrosis mediating the differential MAP kinase activation and redox regulation in HL6O cells2004

    • 著者名/発表者名
      Nishida, et al.
    • 雑誌名

      Mol Cell Biochem 265

      ページ: 123-132

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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