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2003 年度 実績報告書

糖尿病網膜症におけるアンギオテンシン受容体阻害剤の治療効果

研究課題

研究課題/領域番号 14571652
研究機関旭川医科大学

研究代表者

吉田 晃敏  旭川医科大学, 医学部, 教授 (70125417)

研究分担者 森 文彦  旭川医科大学, 医学部, 講師 (90322916)
引地 泰一  旭川医科大学, 医学部, 講師 (50198983)
キーワード糖尿病 / ロサルタン / アンギオテンシン受容体阻害剤 / SLO / OCT / 脈絡膜循環
研究概要

1.糖尿病網膜症におけるアンギオテンシン受容体阻害剤の治療効果の検討
糖尿病ラットにおいてアンギオテンシンII受容体阻害剤であるロサルタンの網膜微小循環に対する効果を検討した。Brown-Norwayラットにstreptozotocinを投与して糖尿病を誘発させ、発症時よりロサルタン5mg/kg/day投与した(I群)、ロサルタン未投与の糖尿病群(II群)、正常群(III群)とした。4週間後、アクリジンオレンジ眼底造影検査をおこない、網膜微小循環における白血球集積数を検討した。網膜内白血球集積数はI群で3.1±0.9cells、II群6.1±1.4cells、III群2.8±1.2cellsであった。I群、III群に比べて、II群が有意に増加していた。したがって、ロサルタン投与により、糖尿病における網膜微小循環の白血球集積の増加を抑制できたことから、その網膜症治療薬としての可能性が示唆された。
2.糖尿病黄斑浮腫における変視量、網膜厚、固視、暗点の検討
糖尿病患者97例194眼を対象にM-CHARTSを行い、眼底検査を行った。糖尿病黄斑浮腫を認めた患者に対して、OCTにて網膜厚、SLO microperimetryにて固視の安定と暗点の有無を評価した。194眼中22眼でM-CHARTSにて、変視を認め、その17眼(77.2%)に、糖尿病黄斑浮腫を認めた。また、194眼中23眼で糖尿病黄斑浮腫を認め、その17眼(73.9%)に、M-CHARTSで変視を認めた。変視量と網膜厚の間に有意な相関を認めなかった。変視量は固視安定群(n=11)で0.28±0.11°、固視不安定群(n=5)で0.34±0.11°と有意差を認めなかったが、網膜厚はそれぞれ290.5±90.7μm、492.2±51.7μmで有意差を認めた。また、同様に、変視量は暗点のある群(n=11)で0.33±0.09°、暗点のない群(n=5)で0.24±0.13°と有意差を認めなかったが、網膜厚はそれぞれ398.6±108.0μm、254.2±105.6μmで有意差を認めた。糖尿病黄斑浮腫の74%に変視を認めることが明らかとなった。網膜厚と固視の安定及び暗点の有無は関係あるが、変視量はそれらと関係ないことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Fumihiko Mori, et al.: "Pulsatile Ocular Blood Flow is Unaffected in Type 2 Diabetes Mellitus"Japanese Journal of Ophthalmology. 47. 621-622 (2003)

  • [文献書誌] 森 文彦: "拍動性眼血流量および加齢黄斑変性における眼循環動態の変化"日本眼科学会雑誌. 107(11). 674-677 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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