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2003 年度 実績報告書

糖尿病網膜症治療の新しい戦略-網膜血管及び神経細胞のアポトーシス制御の観点からのアプローチ-

研究課題

研究課題/領域番号 14571656
研究機関山形大学

研究代表者

高村 浩  山形大学, 医学部, 助教授 (10197204)

研究分担者 川崎 良  山形大学, 医学部, 助手 (70301067)
山下 英俊  山形大学, 医学部, 教授 (90158163)
キーワード糖尿病網膜症 / 酸化ストレス / 8-OHdG / NOx / VEGF / 糖尿病モデル動物 / PKC-β / DGK
研究概要

本研究では糖尿病網膜症の発症、進展を防ぐ治療薬の開発を目ざすことである。戦略としては糖尿病網膜症の病態として酸化ストレスによる細胞障害、アポトーシスを検討した。手術時に患者の同意を得たうえで硝子体サンプルを採取して細胞障害の指標となる8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)、酸化ストレス(NOx)、細胞障害をきたすサイトカインとしてVEGF, IL-6を測定したところ、糖尿病網膜症では8-OHdG, NOx, VEGF, IL-6はともに対象となる疾患に比較して上昇していた。また、網膜障害と関連しているVEGFの作用を中和する可溶性受容体の発現は糖尿病、非糖尿病状態双方で発現していた。これらの結果により実際の糖尿病網膜症で網膜細胞が障害されていること、正常な硝子体内には細胞障害を抑制するメカニズムがあること、そして糖尿病では細胞障害抑制メカニズムを上回る障害因子の上昇があることが分かった。さらに糖尿病モデル動物における網膜細胞障害のメカニズムを検討した。高血糖状態で2ヶ月経過するのみでVEGFの発現上昇、プロテインキナーゼCβの発現上昇、DGK発現上昇、アポトーシスに関連するMAP-kinaseアイソフォーム上昇がみられた。網膜細胞障害の病態として高血糖に伴う代謝異常、酸化ストレスに引き続くアポトーシスが重要なメカニズムと考えられた。また、治療薬としてDGKを活性化する方法が今後の可能性のある研究方向と考えられた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 佐藤さくら, 佐藤浩章, 川崎 良, 高村 浩, 山下英俊: "眼疾患とRAS"Angiotensin Research (Journal of Angiotensin Research). 1. 73-77 (2004)

  • [文献書誌] 川崎 良, 高村 浩, 山下英俊: "糖尿病網膜症の新しい臨床病期分類と外科治療の現況"医学のあゆみ. 207. 784-789 (2003)

  • [文献書誌] 神尾聡美, 川崎良, 高村浩, 山下英俊: "糖尿病網膜症、黄斑症の新しい分類"Diabetes Journal. 31. 1501-1503 (2003)

  • [文献書誌] 大内典子, 川崎良, 山下英俊: "糖尿病網膜症"Medico. 34. 321-325 (2003)

  • [文献書誌] 寺島和人, 高村浩, 山下英俊: "TGF-βと眼疾患"眼科. 45. 31-38 (2003)

  • [文献書誌] Sato H, Kawasaki R, Yamashita H: "Observation of idiopathic full-thickness macular hole closure in early postoperative period as evaluated by OCT"Am J Ophthalmol. 136. 185-187 (2003)

  • [文献書誌] 山下英俊, 川崎良, 佐藤浩章, 神尾聡美, 高村浩, 他: "糖尿病学の進歩(第37集)"他科から糖尿病専門医に望むもの. 57-61 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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