研究課題
基盤研究(C)
視覚系と眼球運動系に対して下記の最新の機能評価技術を応用し、臨床に貢献できる実際的方法を考案し、データを取得できた。1)広画面三次元的視覚刺激装置と眼球運動計測システムからは、正常被検者において視軸上にある視標の背景が輻輳の振幅に影響すること、周辺視差の動きが輻輳の運動開始部の開ループ成分に強く影響すること、三次元的な視標速度情報が位置の変化の情報よりより潜時の短い輻輳応答を誘発しうることなどを明らかにし、三次元視覚の脳内処理のメカニズムを考察した。2)核磁気共鳴における分子運動を評価する拡散強調画像を応用して、水分子のみかけの拡散運動から視神経の神経軸索流を推定した実験では、急性期の視神経炎の患者では拡散係数が低下し、半年以上経過し視神経萎縮を呈した患者では拡散係数が上昇することが明らかとなった。視神経疾患の鑑別診断・病期診断に有用なデータであり、今後は視神経から視神中枢を含んだ視覚系の病態評価に極めて有用と思われ、データ取得を継続中である。3)タスクに応じた脳局所の血流量変化を評価するBOLD法を応用した機能的MRI法からは、小脳虫部VII小葉がサッカードとパーシュートの制御に関わることを明らかにし、文献的考察などから輻輳運動と関連も類推することができた。その上で、近年上位中枢で三次元的な視覚情報と眼球運動の制御に関わる細胞が見出されたことを受け、単一のsubsystemと考えられていた立体視覚-輻輳運動系を視覚眼球運動制御機構全体の中でどう位置づけたら良いのか理論的な考察を行った。これらのデータは神経眼科の臨床に直接的に貢献できるものと考えている。
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