研究概要 |
新たにヒト角膜上皮株細胞、結膜上皮株細胞、正常ヒト角膜上皮細胞、正常ヒト結膜上皮細胞、正常ヒトケラトサイト、正常ヒト結膜下線維芽細胞の培養形を確立した。またSCFのELISA系を確立し、より微量のSCFタンパク濃度が検出可能でかつ測定誤差の低い条件を検討した。 上記の各細胞を培養後、各々の細胞において培養上清、細胞溶解液のSCFタンパクの発現をELISA法により検討し、いずれの培養上清および細胞溶解液からもSCFタンパクの発現を確認した。また、各細胞よりmRNAを抽出し、RT-PCR法によりSCFmRNAの発現を検討した結果、上皮細胞では膜結合型SCFmRNAの発現が多く、線維芽細胞、ケラチノサイトでは主に可溶型SCFmRNAが発現していることを確認した。各種細胞の培養液中に生理活性物質(EGF、bFGF、IL-1,4)を投与し24時間後培養上清および細胞溶解液のSCFタンパク濃度を検討した。また3および6時間培養後の各細胞におけるSCFmRNA発現を検討した。 その結果これまでのところ、これら生理活性物質の単独投与いずれもSCFタンパクの発現に有意差は見られなかった。また、mRNA発現にも明らかな変化は認められず、可溶型および膜結合型の発現比率にも変化は見られなかった。現在、投与濃度、測定時間を再検討しているが、今後複数の生理活性物質を投与することで検討を行う予定である。
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