研究概要 |
平成14年度の研究を継続し、ヒト角膜上皮株細胞、結膜上皮株細胞、正常ヒト結膜下線維芽細胞の培養系用い、培養液中に生理活性物質(bFGF、IL-1,4,6、TGF-β、IFN-γ、VIP)を単独あるいは一部組み合わせて投与し一定時間培養後の培養上清および細胞溶解液のSCFタンパク濃度をELISA法で検討した。 その結果、ヒト角膜上皮株細胞を1%ウシ胎児血清および各種生理活性物質を含む培地を用いて24時間培養後その細胞溶解液のSCF濃度を検討したところ、IL-4(5ng/ml)+VIP(50μM)を投与した場合に対照に比較し有意なSCF濃度の上昇が認められた。 正常ヒト結膜下線維芽細胞では、0.3%ウシ胎児血清および各種生理活性物質を含む培地を用いて48時間培養後培養上清のSCF濃度を検討した結果IL-4(10ng/ml)を添付した場合有意なSCF濃度の上昇が認められた。 また、上記細胞を用いて、10%ウシ胎児血清を含む培養液に各種薬剤(各種抗アレルギー薬(トラニラスト、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、他)およびステロイド(デキサメタゾン))を明らかな細胞障害をおこさない濃度(培養上清のLDHアッセイにて決定)で投与し一定時間培養後の培養上清および細胞溶解液のSCF濃度を検討したところ、ヒト角膜上皮株細胞の細胞溶解液および正常ヒト結膜下線維芽細胞培養上清のSCF濃度はフマル酸ケトチフェン10^<-4>M,10^<-5>M、デキサメタゾン10^<-6>M投与により有意な低下が認められた。
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