研究課題/領域番号 |
14571678
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
北岡 隆 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80234235)
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研究分担者 |
雨宮 次生 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60026862)
宮村 紀毅 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20343345)
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キーワード | アクアポリン / 網膜 / 内境界膜 / 黄斑円孔 / 黄斑浮腫 / 糖尿病 / 免疫組織化 / ミュラー細胞 |
研究概要 |
アクアポリン(AQP)は水のチャンネル蛋白で、広く哺乳類、植物、微生物に見つかっており、AQP1〜9までが同定されている。AQPによって水はすばやく細胞膜を越えて移動する。眼科領域においてはAQPのミューテーションが白内障を起こすことが知られている。また、毛様体にAQPが存在することも分かっており、眼房水の産生、分泌にも関与している可能性がある。一方、AQP4および5が涙液の産生・分泌に関与していることも分かっており、眼科領域とAQPは密接な関係がある。網膜ミュラー細胞の細胞膜にもAQP4の存在することが報告されている。われわれのこれまでの研究でもAQPの抗体を用いて網膜ミュラー細胞の細胞膜にAQP4の局在を報告してきた。また、すでに網膜黄斑円孔では手術的に切除した網膜内境界膜にアクアポリンが局在することを報告した。平成14年度には、黄斑浮腫において、AQPの発現の程度を、すでに我々の今までの研究でわかっている黄斑円孔の発現と比較した。糖尿病では手術中に切除した内境界膜のAQPの発現が有意に多かった。このことは糖尿病の黄斑浮腫では浮腫の吸収のために2次的にAQPの発現が増えているか、AQPの発現が黄斑浮腫を増悪させたかのいずれかと考えられた。 一方、硝子体手術後に視野欠損が生じることが知られているが、いくつかの症例で、その視野欠損に一致して、網膜の傷害、浮腫が認められる。この視野欠損の治療に、高気圧酸素両方を行い、効果が認められ、報告した。このことは、AQPの発現に高濃度の酸素が影響する可能性も考えられ、次年度に、培養細胞におけるAQPの発現に酸素が影響するかという研究も考慮中である。
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