研究課題/領域番号 |
14571693
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
中澤 清 名城大学, 薬学部, 助教授 (60076750)
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研究分担者 |
高橋 郁子 名城大学, 薬学部, 教務技師補 (10200784)
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キーワード | GlcNAc sulfotransferase(GlcNAc6ST) / Dermatan-specific Gal ; NAc 4-ST(D4ST) / chondroitin synthase / β-Galactosyltransferase(βGal-T) / Chick cornea / cDNA cloning / Glycosaaminoglycan / Corneal transparency |
研究概要 |
角膜は、その透明性が他の組織には見られない大きな特徴である。角膜におけるこの透明性には、角膜実質の主成分の一つであるプロテオグリカン(PG)が重要な役割を果しているといわれている。当研究室ではここ3年、ヒヨコ角膜を実験材料に、PGの糖鎖部分であるグリコサミノダリカン糖鎖の合成に関与する糖転移酵素や硫酸転移酵素のcDNAのクローニングに研究を集中してきた。 (1)Dermatan-specific N-acetylgalactosamine 4-sulfotransferase(D4ST)のcDNAのクローニング:D4STはdermatan糖鎖を特異的に硫酸化する酵素であり、最近humanでそのcDNAがクローニングされた。ヒヨコ角膜でもそのクローニングを試み、その読み取り枠の塩基配列を決定できた。その配列は驚いたことに、humanD4STcDNAと100%の相同性を示した。UTRの配列は異なる。 (2)N-acetylglucosamine 6-sulfotransferase(GlcNAc6ST)のcDNAのクローニング:GlcNAc6STはKS糖鎖の硫酸化に関与する酵素であり、角膜分化のマーカー酵素になることが示唆されている。そのcDNAのクローニングを試みてきたが、最近ようやくその読み取り枠の90%の塩基配列が決定された。その配列は意外にも、humanの角膜に特異的に発現するGlcNAc6ST-5とは相同性を示さず、human fetal brainのGlcNAc6ST-1と83%の相同性を示した。塩基配列の結果は5'-側にhuman GlcNAc6ST-1と非常に相同性に低い領域(300 bps程)が存在することを示している。これらの結果はKS硫酸化に関与するsulfotransferaseの分子進化を考えるとき興味深い。 (3)chondroitin synthaseとβ-galactosyltransferase(βGal-T)のcDNAのクローニング:CS糖鎖、KS糖鎖の伸長に関与するchondroitin synthaseとβGal-Tは、角膜実質細胞の脱分化あるいはtransdifferentiationのマーカーになるのではないかと考えている。両酵素のcDNAのクローニングを試み、chondroitin synthase cDNAについては、その読み取り枠の塩基配列が決定できた。その配列はhuman brain chondroitin synthase-1 cDNAと80.5%の相同性を示した。一方βGal-T cDNAについても、読み取り枠の塩基配列が決定された。その配列は、以前に報告されているchickβGal-TIcDNAと同一であった。 今後、これらクローニングされた酵素について、Gateway等の方法を使って、哺乳類細胞中で発現させ、その活性、基質特異性を調べたいと考えている。
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