研究課題/領域番号 |
14571698
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小室 広昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80296128)
|
研究分担者 |
金子 道夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60152807)
|
キーワード | 再生医療 / 膀胱 / 食道 / 虚血腸管 / 幹細胞 / 骨髄 / Scaffold / 小児 |
研究概要 |
1.膀胱の再生 自己細胞を用いた膀胱組織の再生実験を行い、合成高分子のPLGA meshと天然高分子のcollagenを組み合わせた新しいScaffoldを用いて、ブタの膀胱組織を用いて自己細胞からなる膀胱組織をin vitroで構築することに成功した。再構築された膀胱壁コンストラクトは形態学的及び免疫組織学的に検討され、膀胱組織の特徴を維持していることが確認された。この結果を論文にして発表した。 2.骨髄の幹細胞による虚血腸管のsalvage ラットを用いた腸管の虚血モデルをもちいて、骨髄の幹細胞による腸管虚血の改善について、実験を行った。骨髄の単核球細胞を分離して、静脈内に注入して観察したが、生存率の改善は得られなかった。 3.食道の再生 食道全層の再生:ラットの胃壁から機械的および化学的に細胞成分を取り除いたgastric acellular matrix(GAM)を用いて食道の再生実験を行った。F344ラットの胃壁から、細胞成分を除去してGAMを作成する。次にこれを用いて、ラットの腹部食道の一部を切除してpatch状に縫着して置換し、経過を観察した。上皮は早期より再生が見られ、2週間以降では肉眼的にも顕微鏡的にもきれいに上皮が再生していた。筋の再生については、7ヶ月以上観察したが、再生はみられなかったものの、狭窄やバルーニングはみられず、食道の再生に有用なscaffoldと考えられた。この方法は、実際に臨床に応用する際にも、自己の胃の一部を用いることが可能であり、同種や異種由来のものを使用する際の感染症の問題を気にする必要もなく、倫理的にも問題がない。現在論文投稿中である。
|