研究課題/領域番号 |
14571719
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
今澤 隆 順天堂大学, 医学部, 助手 (90296872)
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研究分担者 |
梁井 皎 順天堂大学, 医学部, 教授 (80114495)
小室 裕造 順天堂大学, 医学部, 助教授 (90306928)
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キーワード | リン酸カルシウム骨ペースト / 頭蓋骨 / 中枢神経系 / 神経毒 |
研究概要 |
CPC95^<【○!R】>(三菱マテリアル株式会社)を家兎の頭蓋骨欠損部に埋め込み、中枢神経系に及ぼす影響について、実験を行った。グループ1:前頭骨骨欠損部の硬膜上にペースト状のCPC95^<【○!R】>を埋め込み、硬化したことを確認した後、骨膜縫合、皮膚縫合を行った。グループ2:硬膜に10mmの横切開を加えた後、縫合し硬膜の上にCPC95^<【○!R】>を充填した。グループ3:直径10mmの硬膜欠損を作成し大脳上にCPC95^<【○!R】>を充填した。コントロール群として硬膜欠損のみを作成するグループ4と頭蓋骨にまったく手術操作を行わないグループ5を作成し実験を行った。埋め込み前、埋め込み直後、4週、16週、24週、48週後にチオペンタール静注による麻酔を行い末梢血検査および髄腋検査を行った。髄液検査の際には腹臥位で軽度、頚部を屈曲させ大後頭結節と第一頚椎の間に25G翼状針を挿入し髄液を採取した。さらに充填したCPC95^<【○!R】>の大脳への影響について検討を行うため、埋め込み後4週、16週、24週、48週に家兎をサクリファイし、大脳とともに埋め込んだCPC95^<【○!R】>を取り出し組織学的検討を行った。硬膜を欠損させたグループ(グループ2、3、4)では埋め込み直後の髄液所見は細胞数の軽度上昇を認めるものの、蛋白増加や糖減少などは認めなかった。末梢血でも炎症所見は認めなかった。さらに、けいれんなどの中枢神経障害を疑わすような症状は認めず、埋め込み直後に認めた髄液は埋め込み後4週で、すべて正常となっていた。また、硬膜欠損部に埋め込んだCPC95^<【○!R】>は髄液により流出し形態を保つことができず、大脳表面や髄液内に流れ出ていた。組織学的検討では大脳とCPC95^<【○!R】>は接しているものの結合組織を介しており、両者は直接には結合していなかった。またCPC95^<【○!R】>に接した大脳に変性などの組織学的異常は認めなかった。一方、硬膜上のCPC95^<【○!R】>は硬膜と新生骨を介して直接、結合しており、CPC95^<【○!R】>は骨伝道能を、硬膜は骨誘導能を有していることが示唆された。
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