研究課題/領域番号 |
14571722
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐々木 健司 日本大学, 医学部, 教授 (30119961)
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研究分担者 |
野崎 幹弘 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (70086586)
本田 隆司 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50246584)
竹内 正樹 日本大学, 医学部, 助手 (70266790)
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キーワード | 血管柄付遊離皮弁 / 動静脈瘻 / 吻合部血栓予防 / 皮弁壊死 |
研究概要 |
血管柄付遊離皮弁の末梢において主軸動脈と静脈の間に作成した動静脈痩(A-Vシャント)が吻合部血栓形成を予防し、blood steal現象による皮弁壊死を原因しないことを明らかにした。(A-Vシャントを作成していないコントロール群(第1群)15例と、作成した6例(第2群)について、第1群においては5/15例(33%)において吻合部血栓を形成したが、第2群では血栓形成は認めず皮弁の壊死も認めなかった。)次に、2つの群の微小循環動態をハイスコープで経時的に皮弁の根部の圧迫前後で観察した。その際、健側耳介をコントロールとした。ハイスコープ観察(表皮を薄く擦過して観察する)では、通常真皮乳頭層毛細血管と血流が観察されるが、初期には第1群は血管拡張を示し、第2群では血管拡張と血流停滞(充血)を示した。長期経過後はいずれも血管の細小化と血流の正常化を認めた。また、根部圧迫では第1、2群とも初期は血管拡張と血流停滞が見られるが、長期経過後は第1群では血管拡張の程度は軽度となるが、第2群の方は第1群に比べ血管拡張の程度は維持されていた。これらの所見から、皮弁末梢に置いた動静脈瘻が、皮弁根部圧迫による脈管容積の増大により、長期経過後も再建陰茎の容積を維持しうる優れた工夫になると考えている。
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