研究課題/領域番号 |
14571728
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
程 クン 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
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研究分担者 |
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
依田 浩子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
鈴木 誠 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50107778)
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キーワード | 口腔癌 / 転移形質 / 細胞培養 / 免疫組織化学 / in-situハイブリダイゼーション / DNAチップ / 細胞外基質 / 細胞外基質分解酵素MMP |
研究概要 |
1)免疫およびハイブリッド組織細胞化学的実験:前年度DNAチップ解析によって特定された遺伝子について、組織切片上でも特定された遺伝子およびその産物がそれぞれの細胞で対照的発現をしているかどうかを免疫組織化学とin-situハイブリダイゼーション(ISH)法によって、その癌組織内での分布を解析した。その結果、ラミニン、IV型コラゲン、MMP、FGF7、ケラチン等の分子の蛋白質発現レベルが遺伝子レベルの発現と対応することが確認され、それらの遺伝子が実際の生体内でも転移機転に寄与している可能性が示唆された。 2)標識培養および免疫沈降実験:各培養細胞を上記(1)項と同様の抗体をもちいて免疫沈降をおこなった。沈降物は糖鎖分解酵素処理の有無でSDSポリアクリルアミド電気泳動後にウェスタンブロッティングによって可視化し、各癌細胞における分子量ならびに構成を確定して分子種の差異を検出し、転移能との関連について蛋白質レベルで確認できた。 3)RT-PCR法による細胞外基質関連遺伝子多様性の解析:上記のとおり特定された細胞外基質関連遺伝子について、各培養細胞種よりRNAを抽出してcDNAを調製し、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法により各断片のcDNAを増幅、α-actinおよびGAPDHを内部標準として定量化し、mRNAレベルの発現量を確認するとともに、増幅されたcDNA断片の分子量から各細胞における各遺伝子の選択的スプライシングの可能性を検討しているが、本実験については今後さらに詳細な検討が必要である。 4)転移形質として決定された遺伝子の発現調整による転移能の制御:上記のとおり特定された遺伝子について、高発現細胞にはRNAi法で遺伝子発現を抑制する実験系を開発しているが、現在までのところ、明らかな抑制効果がみられていない。 以上の結果より、口腔癌の転移を制御する遺伝子群は、大略細胞外基質とその代謝、アポトーシスと細胞増殖、さらに細胞骨格に関与するものであることが判明し、これらの遺伝子の発現調節によって口腔癌転移阻止にむけて今後の研究展望が開けたと考えられる。
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