研究課題/領域番号 |
14571737
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飯島 忠彦 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50090874)
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研究分担者 |
永田 健吾 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90189134)
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (70150464)
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キーワード | アジュバント関節炎ラット / 骨棘形成 / 神経成長因子 / 知覚神経 / ヘルパーT細胞 / 大食細胞 / CGRP陽性神経 / トランスフォーミング増殖因子 |
研究概要 |
アジュバント関節炎ラットの距腿関節における骨棘形成メカニズムを解明する目的で、坐骨神経を切除したアジュバント関節炎ラットと疑似手術を施したアジュバント関節炎ラット(以後対象ラットと称する)の関節滑膜組織中の末梢神経と炎症性細胞の分布を検索した。解析には神経成長因子の受容体(p75NGFR)、増殖中の神経線維のマーカー(GAP-43)、知覚神経のマーカー(CGRP)、ヘルパーT細胞のマーカー(W3/25)、大食細胞のマーカー(ED-1)、トランスフォーミング増殖因子(TGF-β1)およびその受容体(TGF-βRII)に関する免疫染色を行った。 対象ラットでは炎症を惹起した関節滑膜中の骨棘に接近してCGRP陽性神経の密な神経叢が見られた。これらCGRP陽性神経の殆どはp75NGFRやGAP-43の染色でも陽性を示した。従って、これらの神経は新たに出芽伸長した知覚神経であると考えられる。一方、坐骨神経を切除したアジュバント関節炎ラットではCGRP陽性神経は全く観察されず、骨棘は対象ラットのそれと比較して明らかに小型であった。 また、対象ラットの滑膜組織中の単核細胞に占めるW3/25陽性細胞およびED-1陽性細胞の比率を求めたところ、いずれもアジュバント投与2-3週間後に最大に達した。しかし、神経を切除したアジュバント関節炎ラットではそのピークは4週間後まで持続した。すなわち、炎症の快復は神経切除によって遅延した。 炎症滑膜組織中の大食細胞と骨芽細胞には神経切除手術の有無とは関係なく、TGF-β1を発現していた。その受容体TGF-βRIIは骨棘表面を被う骨芽細胞に発現しており、TGF-β1を介する骨形成の促進作用が確認された。 以上の知見は、知覚神経と大食細胞の両者がアジュバント関節炎ラットの距腿関節における骨棘形成に関わることを示唆している。
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