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2003 年度 実績報告書

前駆細胞のM期に始まる破骨細胞分化:増殖・分化切り換え点における細胞周期逸脱機構

研究課題

研究課題/領域番号 14571738
研究機関九州大学

研究代表者

久木田 敏夫  九州大学, 歯学研究院, 助教授 (70150464)

研究分担者 永田 健吾  九州大学, 歯学研究院, 助手 (90189134)
久木田 明子  佐賀大学, 医学部, 助教授 (30153266)
キーワード破骨細胞 / 分化 / 前駆細胞の増殖 / M期 / 膜表面抗原 / アフィニティー・クロマトグラフィー / 銀染色 / 質量分析
研究概要

細胞周期のM期に於いて、細胞分裂する破骨細胞プロジェニターの片割れのみが破骨細胞に特異的なマーカーであるKat1抗原を発現するようになり、この片割れのみが破骨細胞の前駆細胞へと分化していく。この細胞増殖・分化切り換え機構を解析し、細胞周期を制御する分子との関連性を解明することを本研究の目的としている。細胞周期のM期に発現する、破骨細胞の分化マーカーであるKat1抗原の実体解明を最初の目的とした。ラット骨髄細胞より形成したKat1陽性破骨細胞を界面活性剤CHAPSを含む緩衝液にて可溶化し、抗Kat1抗原モノクローナル抗体を結合させたセファデックス4Bカラムを用いてアフィニティー・クロマトグラフィーを行った。溶出画分をSDS-PAGEにより分離後、抗原のバンドを切り出し、トリプシン消化後、得られたペプチド断片について質量分析を行い、抗原分子の同定を試みた。その結果、Kat1抗原はgalectinである可能性が強く示唆された。Galectin分子がM期の細胞の膜表面に特異的に発現するという報告は過去に無く、極めて興味深い知見である。抗Kat1抗原モノクローナル抗体は、破骨細胞の他にラットのアストロサイトにも反応することがわかった。ラットアストロサイト細胞株でも反応性を確認したところ、M期の細胞が本抗体により明瞭に検出された。コルセミドを用いてM期に細胞周期を同調させたところ、多数のKat1陽性細胞が出現した。アストロサイトの分化に於いても、M期に於いて細胞増殖と分化の切り換えが起こっている可能性を示唆する結果である。ラットの破骨細胞株が確立されていないこともあり、このアストロサイト細胞株を用いて分子生物学的解析を行った。細胞生物学の教科書に記述してある、「細胞周期のG0期(通常G1期の後期との記述が多い)に入った細胞が分化する」、という一般的であるが極めて漠然とした表現を書き改めねばならない新知見が本研究によって得られるものと思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Wu Z, Toh K, Nagata K, Kukita T, Iijima T: "Effect of the resection of the sciatic nerve on the Th1/Th2 balance in the synovia of the ankle joint of adjuvant arthritic rats."Histochem Cell Biol. (in press).

  • [文献書誌] Watanabe T, Kukita T, Kukita A et al.: "Direct stimulation of osteoclastogenesis by MIP-1sα : evidence obtained from studies using RAW264 cell clone highly responsive to RANKL."J Endocrinology. 180. 193-201 (2004)

  • [文献書誌] 久木田 敏夫, 久木田 明子: "破骨細胞機能の膜表面受容体を介した制御 特集「骨の細胞と形態機能」"CLINICAL CALCIUM(医薬ジャーナル社). 13・4. 444-448 (2003)

  • [文献書誌] Rhaman M, Kukita A, Kukita T et al.: "Two histon deacetylase inhibitor, trichostatin A and sodium butylate, suppress differentiation of osteoclasts but not into macrophages."Blood. 101・9. 3451-3459 (2003)

  • [文献書誌] Uji A, Matsuda M, Kukita T, et al.: "Molecules interacting with PRIP-2, a novel Ins(1,4,5)P3 binding protein type 2 -Comparison with PRIP-1-"Life Science. 72. 443-453 (2002)

  • [文献書誌] Sakai H, Jingushi S, Shuto T, Urabe K, Okazaki K, Kukita T, et al.: "Fibroblasts from the inner granulation tissue of the pseudocapsule in hips at revision arthroplasty induce osteoclast differentiation, as do stromal cells."Ann Rheum Dis. 61・2. 103-109 (2002)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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