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2004 年度 実績報告書

味蕾の細胞生物学的特性と味覚情報伝達機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14571740
研究機関九州歯科大学

研究代表者

豊島 邦昭  九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10112559)

研究分担者 瀬田 祐司  九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (90291616)
豊野 孝  九州歯科大学, 歯学部, 助手 (10311929)
片岡 真司  九州歯科大学, 歯学部, 助手 (80364149)
キーワードATP / ATP受容体 / gustducin / P2Y1 / P2Y2 / P2Y4 / 免疫組織化学 / in situハイブリダイゼーション
研究概要

味蕾においてATPが細胞内小胞に蓄えられ、神経伝達物質として細胞外に放出され情報伝達に関与する可能性について研究をおこなっている。これまでイオンチャネル型ATP受容体P2X_3が味神経に発現し、味蕾細胞と密接な関係にあることやGタンパク共役型ATP受容体P2Y_1が味蕾の一部の細胞に発現していることなどを報告してきた。最近、マウス味蕾細胞の生理学的な研究から味蕾にGタンパク共役型ATP受容体のサブタイプP2Y_2、P2Y_4受容体が発現している可能性が高いことが報告された。このP2Y_2、P2Y_4受容体がラット味蕾に発現しているかについて分子生物学的、免疫組織化学的に調べることを目的とした。その結果P2Y_4受容体は、味蕾の一部の細胞に発現していた。P2Y_4発現細は、2型細胞であるgustducin陽性細胞との共発現が認められず、さらに免疫電顕を用いた観察で有芯小胞がみられたことから3型細胞の可能性が高いことが示唆された。さらに、ATPが味覚情報伝達分子として重要な役割をもつことが示唆された。
phospholipase C-βはIP3を産生し、細胞内カルシウム濃度の調節に関与している。ラット味蕾においてはphospholipase C-β2(PLC-β2)の味蕾の一部の細胞での発現が認められている。しかしながらPhospholipase C-β4(PLC-β4)の発現およびその局在に関しては全く明らかになっていない。そこで本研究ではラット味蕾におけるPLC-β4の発現の分析および局在の検索を行った。RT-PCR法による検索の結果、ラット有郭乳頭においてPLC-β4の発現が認められた。PLC-β4の局在の検索の結果、味蕾を構成する一部の細胞および味蕾内および味蕾下部の固有層の神経線維に局在が認められた。さらにPLC-β4発現細胞の一部の細胞がPLC-β2を共発現していることも認めれられた。味蕾の一部の細胞および味蕾内の神経線維においてPLC-β4の発現が認められたことから、PLC-β4の味蕾における味覚情報伝達への関与が推察された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Regulation of taste bud cell differentiation by Notch signaling pathway.2004

    • 著者名/発表者名
      Seta, Y., et al.(4名中4番目)
    • 雑誌名

      Chemical Senses 29(in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] 味覚受容体2004

    • 著者名/発表者名
      豊野 孝, 他(4名中4番目)
    • 雑誌名

      顕微鏡 39巻3号

      ページ: 168-171

  • [雑誌論文] Expression of P2Y1 receptors in rat taste buds.2004

    • 著者名/発表者名
      Kataoka, S., et al.(4名中4番目)
    • 雑誌名

      Histochem.Cell Biol. 121

      ページ: 419-426

  • [雑誌論文] 9.脊椎動物のMerkel細胞2004

    • 著者名/発表者名
      豊島 邦昭
    • 雑誌名

      Merkel細胞・Merkel細胞癌-この謎多き細胞たち(小野 友道, 鈴木 啓之編集, 金原出版) (印刷中)

  • [雑誌論文] Characterization of dental epithelial progenitor cells derived from cervical-loop epithelium in a rat lower incisor2004

    • 著者名/発表者名
      Kawano S, et al.(11名中9番目)
    • 雑誌名

      J.Dent.Res. 83(2)

      ページ: 129-133

  • [雑誌論文] Expression of phospholipase C-β4 in rat circumvallate papillae.2004

    • 著者名/発表者名
      Toyono, T., et al.(4名中4番目)
    • 雑誌名

      Chemical Senses 29(in press)

  • [図書] 新編 口腔組織学・発生学 第7章 3.舌(脇田、山下、明坂、前田編集)2004

    • 著者名/発表者名
      豊島 邦昭
    • 出版者
      医歯薬出版(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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