研究課題/領域番号 |
14571767
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大西 智和 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30244247)
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研究分担者 |
網田 陽子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教務職員 (70274850)
坂東 健二郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50347093)
大工原 恭 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40028733)
柿元 協子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40274849)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | HGF / SF / 一酸化窒素 / フリーラディカル / 歯周炎 / 糖尿病 |
研究概要 |
現在、ヒト肝細胞増殖因子(HGF)は血管新生作用などを持つ多機能因子として広く研究の対象とされている。研究代表者らは歯周炎患者の歯肉溝滲出液中のHGF濃度を測定したところ、歯肉炎と深く係わり合いのあることを示した。歯周炎の増悪傾向が顕著に見られる疾患に糖尿病があげられるが、糖尿病において血管障害は顕著なものがある。そこで、研究代表者らは、HGFと糖尿病の合併症と深い係わり合いのあるフリーラディカルが、いかに血管新生にかかわるかを明らかにしようとした。 まず、NOなどのフリーラディカルが歯肉線維芽細胞のHGF産生に及ぼす影響について検討をした。その結果、マクロファージによっても産生される一酸化窒素や活性酸素によってHGFの産生はフリーラディカルによって減少することが認められた。このことは、糖尿病で発生するフリーラディカルがHGFの産生を下げ、そのことにより歯周炎時の血管再生を抑制し、歯周炎を悪化させることを示唆している。 次に、研究代表者らはHGFの血管新生に及ぼすNOの影響について検討した。まず、HGFによる血管内皮細胞のNO産生増強を検討し、続いて血管新生のために必要な三次元コラーゲンゲル中での細胞ネットワーク形成に及ぼすHGFやNOの影響を検討した。その結果HGFおよびNOは細胞のネットワーク形成を促進させHGFとNOはネットワーク形成に相乗的に効果があることが判明した。次にNOSの阻害剤やHGF受容体であるc-Metが介する情報伝達系の阻害剤を、三次元コラーゲンゲル培養系に加え培養し細胞ネットワーク形成を光学顕微鏡にて観察した。その結果から、HGFにより誘導する細胞分枝化、伸張にはPI3キナーゼ活性によるAktのリン酸化による活性化が必須であることが示唆された。また、HGFによる細胞ネットワーク形成は、eNOSの発現誘導によるNOの産生を介することが示唆された。
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