研究課題/領域番号 |
14571769
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
稲永 清敏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90131903)
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研究分担者 |
小野 堅太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (40316154)
本田 栄子 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00047812)
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キーワード | 唾液分泌 / 耳下腺 / 渇き / 浸透圧受容 / ナトリウム受容 / 脳室周囲器官 / ラット |
研究概要 |
唾液分泌は体液浸透庄・体液量の変化および自律神経活動等の影響を受けやすい。飲水行動発現のメカニズムについて不明な点が多いが、唾液分泌の減少により渇きを覚え飲水行動を起こすのも原因のひとつであると考えられていた。脳室周囲系および視床下部のニューロンは飲水行動誘発因子である高張浸透圧あるいはアンギオテンシン等に作用し飲水行動を誘発する。しかし、この過程で作用から行動誘発までのメカニズムは未解決であった。申請者らは、飲水行動発現のメカニズムの一つとして、飲水行動誘発因子が脳室周囲系および視床下部ニューロン活動の変化を介して唾液分泌を抑制し、口腔内に渇きを覚え飲水行動が誘発される系があるのではないかと考えた。本研究の目的はこの仮説を実証するために、脳室周囲系および視床下部と唾液分泌との連関を調べることであった.実験には、耳下腺導管にカニューレを装着したラットの側脳室に、等張の高張ショ糖液および高張食塩水を注入し、反射唾液量の変化を調べた。両液の注入により、反射唾液量の減少が観察された。減少量は、高張食塩水のほうが大きかったことから、中枢の浸透圧刺激およびナトリウム刺激により、反射唾液が減少することが考えられた。等張の高張ショ糖液および食塩水で誘発される飲水行動も同じような変化を示すことから、唾液分泌抑制と飲水行動誘発には、密接な関係があることが示唆された。
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