研究課題/領域番号 |
14571771
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
北田 泰之 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (80018423)
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研究分担者 |
成田 欣弥 岩手医大学, 歯学部, 講師 (40291083)
赤羽 和久 岩手医大学, 歯学部, 助手 (70160801)
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キーワード | 味細胞 / 電位依存性Ca^<2+>電流 / 塩味受容機序 |
研究概要 |
ウシガエル味細胞の塩味受容機序の解明を目指して、ホールセルパッチクランプ法により味細胞の膜電流の性質を調べた。またカルシウムイメージング法を使い塩味刺激時の味細胞内のCa^<2+>動態を調べた。昨年と同様に茸状乳頭のスライス標本を用いた。 1.ウシガエル味細胞のパッチクランプ法はこれまで酵素処理による遊離味細胞に適用されてきた。酵素処理法は味覚器内のIb型細胞およびII型細胞からの膜電流の記録を可能にしたが、III型細胞の細い突起がダメージを受けるせいかIII型細胞からの膜電流記録は報告されてこなかった。しかし、我々の用いたスライス標本はIII型細胞の膜電流記録を可能にした。今回、III型細胞にのみ電位依存性Ca^<2+>電流が記録されることが分かった。電位依存性Ca^<2+>電流はカエル味細胞においては初めての発見である。昨年、III型細胞はTTX抵抗性の電位依存性Na^+電流を発生することを報告した。そこで次のことが推察された。即ち、味覚刺激時に活動電位が発生し、電位依存性Ca^<2+>電流が生じ、Ca^<2+>が外部から内部へ流入しシナプス伝達が起こる。今回の実験はIII型細胞が真の味受容細胞であることを示した。 2.茸状乳頭内細胞に外部から蛍光Ca^<2+>指示薬を入れ共焦点レーザ顕微鏡により味覚刺激時の細胞内Ca^<2+>動態を調べた。しかし、昨年と同様に外部から蛍光Ca^<2+>指示薬を細胞内に入れるのは少数例を除いてうまくいかなかった。カエル舌咽神経のNaCl応答は少量のNiCl_2で応答が増強されるのでNaClとNiCl_2の混合液で茸状乳頭を刺激したところ、数例の細胞で細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を記録した。しかし、まだ再現性が悪く更なる改良が必要である。
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