研究課題/領域番号 |
14571782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
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研究分担者 |
新井 通次 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20097538)
茂木 眞希雄 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00174334)
蛭川 幸史 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60340147)
森田 あや美 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70301629)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 交感神経 / 感覚神経 / 破骨細胞形成 / イソプレナリン / ニューロペプチド / CGRP / RANKL / OPG |
研究概要 |
本研究において、in vivoにおける交感神経刺激が骨組織における骨吸収促進因子の産生を高めるか否かを、交感神経系を活性化させる拘束ストレスの負荷およびLPSの脳室内投与(i.c.v)したマウスにて検討した。これらの交感神経系が活性化されたマウス頭頂骨におけるcyclooxygenase(COX)-2およびinterleukin(IL)-6 mRNAの発現をRT-PCR法を用いて解析した際、COX-2およびIL-6 mRNAの発現がLPS i.c.v.により促進された。この促進効果は除神経薬剤の6-hydoxydopamineあるいはβ-遮断薬propranololを前投与により消失した。拘束ストレス負荷もマウス頭頂骨におけるCOX-2およびIL-6 mRNA発現を促進したが、β-遮断薬で抑制された。以上の知見より、これらCOX-2およびIL-6の遺伝子発現の促進は、マウス頭頂骨における交感神経線維の活動およびβ-受容体の活性化により制御されていることが示唆された。また、ヒト破骨細胞様多核細胞(hMNCs)における吸収活性およびアクチンリング形成に対するβ-アドレナリン作動薬の作用から、破骨細胞の吸収活性がβ-受容体を介して直接促進されていることを示した。さらに、イソプレナリンはマウス骨髄培養系における破骨細胞形成を促すと共に、RANKLの産生を促進し、OPGの産生を減少させたが、このイソプレナリンによる破骨細胞形成はCGRPやOPGにより有意に抑制された。CGRPはイソプレナリン処理の骨髄細胞においてRANKLおよびOPGに影響を及ぼさなかった。以上の知見より、CGRPがRANKLおよびOPGの産生に影響することなく、RANKLの前駆破骨細胞への作用を阻害して、破骨細胞形成を抑制することを示唆した。 以上の結果から、(1)交感神経系の活動がin vivoにおける骨代謝を制御していること。(2)交感神経の活動が破骨細胞の形成のみならず活動にも影響を及していること。(3)交感神経は骨吸収を促進的に、感覚神経は抑制的に作用している可能性を示した。
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