平成14年度は、実験動物における移植腫瘍のシステム構築を行った。 1.QRSP-11細胞を用いた腫瘍移植 C57B/6マウス由来の線維肉腫細胞株QRSP-11細胞を入手し、実際にマウス背部に移植、腫瘍の定着性について解析を行った。予備実験としてC57B/6マウス10匹に対して1×10^5個のQRSP-11細胞を接種し経時的に観察した。接種後1週目から肉眼的に腫瘤の形成を認めた。腫瘤は急速な生育をみせ接種後10日前後からマウスは衰弱し始め14-20日後には腫瘍死した。組織学的には細胞質が豊富で核異型の強い腫瘍細胞が充実性に増殖していた。血管腔への浸潤も認められた。 2.QRSP-11へのアポトーシス誘導 QRSP-11に種々のアポトーシス刺激を加え、細胞死にいたる過程を解析した。加えた刺激はp53アデノウイルスによるp53タンパク質の強制発現、マイコプラズマ由来のリポプロテインの投与、塩化コバルトによる低酸素状態の惹起であったが、いずれの刺激においても高率にアポトーシスを誘導することが可能であった。 3.Ced-1およびCed-7のクローニング マサチューセッツ工科大学のHorovitz博士より供与を受けたCed-1およびCed-7のサブクローニングを試みた。おのおののcDNAのN末端領域にFLAGおよびMyc Tagを付与しpcDNA3ベクターヘライゲーションした。現在タンパク質発現の確認中である。
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