研究課題/領域番号 |
14571785
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
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研究分担者 |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 放射線 / アポトーシス / 細胞除去機構 / DNAアレイ |
研究概要 |
1.QRSP細胞を用いた腫瘍移植 C57B/6マウス由来の線維肉腫細胞株QRSP細胞を入手し、実際にマウス背部に移植、腫瘍の定着性について解析を行った。予備実験としてC57B/6マウス10匹に対して1×10^5個のQRSP-11細胞を接種し経時的に観察した。接種後1週目から肉眼的に腫瘤の形成を認めた。腫瘤は急速な生育をみせ接種後10日前後からマウスは衰弱し始め14-20日後には腫瘍死した。組織学的には細胞質が豊富で核異型の強い腫瘍細胞が充実性に増殖していた。血管腔への浸潤も認められた。 2.放射線照射株QRSP-IR株の樹立 QRSP細胞に10Gyの放射線照射を行い、生存した細胞をクローニングし、単一細胞株を樹立した。親細胞株とQRSP-IRをそれぞれC57B/6マウス背部に1×10^4個接種したところ親株は40%の生着率であったが、QRSP-IR細胞では100%の生着率がみられた。放射線照射による細胞選択が宿主動物の細胞除去機構に対する抵抗性をもたらしたことが明らかとなった。 3.病理組織学的解析およびDNAアレイによる解析 親株および照射株の病理組織学的解析により、QRSP-IR腫瘍では明らかな分裂像の増加、局所浸潤性の亢進などがみられた。これらはサイクリンの発現量の増加、PCNAの発現増加などで説明されると考えられた。DNAアレイの解析によりQRSP-IRで発現が上昇した遺伝子は592遺伝子、減少した遺伝子は480遺伝子であった。照射細胞にて発現が減少した膜型タンパク質には、CD14やキラーセル受容体などが含まれており、これらの遺伝子発現の低下と腫瘍生着率の間に何らかの関連が予想された。Key moleculeの絞込みには、今回明らかとなった発言が低下する遺伝子のノックアウトによる解析が必要と考えられた。
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