研究課題/領域番号 |
14571806
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
宮前 雅見 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20298821)
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研究分担者 |
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (60115889)
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キーワード | heart / preconditioning / ischemia / periodontitis / atherosclerosis / nitic oxide / ADMA |
研究概要 |
心筋虚血障害の基礎的メカニズムを解明すべく、まず慢性軽度アルコール摂取のischemic preconditioning (PC)様効果におけるphospholipase C (PLC)の役割について検討した。モルモットに25%アルコールを4ヶ月間飲ませた後、心臓を摘出して45分間虚血48分間再灌流を行った。コントロール群に比べて、アルコール群では有意に虚血後の心機能の回復は良好で心筋壊死の指標としてのCPKも低値であった。PLCの阻害薬であるU-73122を虚血前10分間灌流したアルコール群ではこの保護効果が消失した。以上より、PLCは心筋虚血耐性獲得に必要であることが判明した。臨床面では慢性炎症である歯周病の心筋虚血障害への関与を検討している。昨年測定した正常者の血中コレステロール値と合致するように歯周病患者20名のコレステロールを測定した。正常範囲内(220mg/dl以下)、軽度上昇(221-240mg/dl)、中等度上昇(241-280mg/dl)、高度上昇(281mg/dl以上)の4群に分けてそれぞれ血圧、心電図変化、腎機能を検討している。また、血管内皮細胞障害の指標としてnitric oxide synthase inhibitorである血中asymmetric dimethylarginine (ADMA)を測定中である。また、頚動脈エコーにて内膜肥厚を、血管硬度の指標として脈波伝播速度・(Pulse Wave Velosity)を、血管狭窄の指標として足関節/上腕血圧比(Ankle-Brachial Index)を測定し正常者と比較検討中である。以上よりADMAとその他の危険因子、動脈硬化度との相関関係をStepwise Multiple Regression Analysisにて解析し歯周病患者において血管内皮細胞障害が存在するか否かを検討し心筋梗塞発症への関与を解明しつつある。
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