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2002 年度 実績報告書

レーザー処理象牙質面の性状解析とレジンの接着性向上に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14571816
研究機関広島大学

研究代表者

新谷 英章  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80034239)

研究分担者 播磨 貴裕  広島大学, 歯学部附属病院, 助手 (90343293)
冨士谷 盛興  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60190055)
キーワードEr : YAGレーザー / CO_2レーザー / 接着性レジン / 象牙質接着 / 接着界面 / 形態学的研究 / 分析化学的研究 / 接着向上
研究概要

レーザー処理象牙質に対するレジンの接着機構を検索する目的で,Er : YAGおよびCO2レーザー処理された象牙質表面や表層の様相を超微細構造学的ならびに分析化学的に検討した。
原子間力顕微鏡観察によりEr : YAGレーザー処理象牙質表面には,幅約1.0μm,深さ約1.5μmの亀裂や約1.3μmの高低差をなす層状構造物が,CO2レーザー処理象牙質表面には,幅径約5.0μm,深さ1.0〜2.0μmのクレバス状を呈した亀裂の発生が認められた。また,未脱灰試料を透過電子顕微鏡観察したところ,いずれのレーザーにおいても,酸エッチングされたような表層の形態学的変化は認められず正常象牙質とほぼ同様で,いわゆるレーザーエッチングといわれるようなエッチング所見は確認されなかった。一方,脱灰試料においては,Er : YAGレーザーでは表層約10〜15μmに概形不明瞭でかつ横紋構造の消失したコラーゲン線維と思われる無定形の物質が認められ,その下層の正常象牙質部分との境界は比較的明瞭であった。また,CO2レーザーにおいても同様に,変性したコラーゲン線維を含む無定形の物質が表層に認められたが,Er : YAGレーザーとは異なり境界は移行的であった。さらに,X線光電子分光装置による表面分析の結果,いずれのレーザーにおいてもC1sおよびN1sピークの明らかな減少が認められ,レーザー照射による象牙質最表面におけるコラーゲン線維の破壊が分析化学的にも明らかとなった。
Er : YAGおよびCO2レーザー処理象牙質表面および表層には,亀裂や層状構造物等の構造欠陥が形成され,また,横紋構造が消失し概形不明瞭のコラーゲン線維を含む無構造な層が生成されていることが判明し,これらがレジンの接着性を阻害している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Harima, M.Fujitani, H.Shintani: "Surface Characteristics of Laser (Er : YAG) -irradiated Dentin"接着歯学. 19・4. 348 (2002)

  • [文献書誌] 播磨貴裕, 本山智得, 冨士谷盛興, 新谷英章: "レーザー処理象牙質におけるレジンの接着 第6報 接着界面の超微細構造学的ならびに分析化学的検討"日本歯科保存学雑誌. 45・春季特別号. 125 (2002)

  • [文献書誌] H.Shintani, M.Fujitani, T.Harima, N.Kurosaki, Y.Hirai, T.Toda, M.Okazaki, T.Takata: "Studies on Laser Applications to Dental Hard Tissues"Dentistry in Japan. 39. (2003)

  • [文献書誌] 新谷英章, 冨士谷盛興, 播磨貴裕, 黒崎紀正, 平井義人, 戸田忠夫, 岡崎正之, 高田 隆: "歯牙硬組織切削用レーザーによる象牙質切削に関する研究"日本歯科医学雑誌. 22. (2003)

  • [文献書誌] M.Fujitani, T.Harima, H.Shintani: "Does Er : YAG or CO2 laser ablation of dentin affect the adhesive properties of resin bonding systems?"Excerpta Medica International Congress Series. 1683. (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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