研究課題/領域番号 |
14571818
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
塚田 岳司 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70236850)
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研究分担者 |
田中 利明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80332899)
松下 健二 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90253898)
鳥居 光男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30116066)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 形状記憶ポリマー / トランスポリイソプレン / 根管充填剤 / 封鎖性試験 |
研究概要 |
根管充填剤の主成分であるガッタパーチャ(トランスポリイソプレン)を架橋することによって、形状記憶ポリマーを試作した。架橋剤としては硫黄とジクミルペルオキサイド、架橋促進剤としては酸化亜鉛、架橋促進助剤としてはステアリン酸を配合した。ガッタパーチャの形状記憶機能は次のようなメカニズムにしたがって発現することが明らかになった。架橋によって形状を記憶させた試料を転移温度以上に加熱することによって軟化し変形させる。この変形させた試料を転移温度以下に冷却すると、トランスポリイソプレンの結晶性が起こり変形させた形状のまま固定される。変形を固定した試料は再び転移温度以上に加熱すると変形から開放され元々記憶していた形状へと復元する。変形回復温度は、架橋剤の添加量を調整したり、シスポリイソプレンと共架橋させたりすることによって調整が可能であり、口腔内温度以下に設定することも可能であった。また、架橋剤の添加量を増加すると弾性率が増加し、シスポリイソプレンの添加量を増加すると弾性率は低下した。この形状記憶ポリマーを用いて根管充填用ポイントを試作し、形状記憶機能を利用して封鎖性試験を行った。封鎖の対象としては、ガラス管や牛歯の根管あるいはアクリル製の人工根管などを用いた。ガラス管を用いた封鎖性試験では、約1年6ヶ月にわたって良好な封鎖が得たれた。また、牛歯を用いた封鎖性試験においては、市販の垂直加圧法用のガッタパーチャを用いた方法と比較して、優れた封鎖性を示した。また、アクリル製の人工根管を用いた封鎖性試験では、ISO規格の130番のリーマーで拡大した根管に対して良好な封鎖を示した。
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