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2003 年度 実績報告書

鎖骨頭蓋異形成症を応用した咀嚼筋機能・形態の多元解析

研究課題

研究課題/領域番号 14571836
研究機関東北大学

研究代表者

古内 壽  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50209160)

研究分担者 笹野 高嗣  東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10125560)
幸地 省子  東北大学, 歯学部附属病院, 助教授 (30005045)
渡辺 誠  東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
佐藤 智昭  東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50312591)
小野寺 大  東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (80312594)
キーワード鎖骨頭蓋異形成症 / 骨癒合不全 / 咀嚼筋 / 筋電図
研究概要

1.目的:顎機能は咀嚼筋の共同作業により行われているが、ひとつひとつの咀嚼筋が顎機能にどのように関与しているかの詳細は明らかでない。それぞれの筋の顎運動に対する作用を明らかにするには、それぞれの筋機能を低下させ、その影響を検討することが必要であるが、ヒトにおいてこのような実験は不可能である。そこで本研究では、頬骨弓の形成不全のため咬筋機能が低下する鎖骨頭蓋異形成症の症例の咀嚼筋機能分析を行い、咀嚼運動時における咬筋の機能的役割、ならびに他の咀嚼筋による代償の様態の解明をはかることを目的とした。
2.被験者:鎖骨頭蓋異形成症患者を被験者とした。被験者には研究の目的・方法を説明し、同意を得たうえで行った。
3.結果
(1)顎骨形態:3DCTで頬骨弓の不連続、特異な筋突起形態が確認された。
(2)咬筋の大きさ:CT画像上で測定した咬筋の最大筋幅は、正常群の「平均-2SD」以下の値を示した。
(3)筋活動:両側咬筋、側頭筋前部・後部の最大かみしめ時・片側かみしめ時の表面筋電図より、筋活動量を求めた。鎖骨頭蓋異形成症患者ではすべての運動において咬筋の筋活動量は小さく、側頭筋前部・後部の筋活動量が大きかった。片側グミ咀嚼運動でも咬筋の筋活動は弱かった。以上より、本疾患では正常者とは明らかに異なる筋活動パターンを示していた。
4.まとめ:鎖骨頭蓋異形成症では、形態的特徴として頬骨弓の不連続、特徴的な筋突起形態、咬筋の筋幅が小さいことが明らかとなった。また種々の顎運動において咬筋の筋活動量が小さく、側頭筋前部・後部は大きいという機能的特徴を有していた。これらの結果より、先天的骨形態不全により十分機能できない咬筋に代わって、側頭筋前部・後部が強く機能し代償作用をなしていることが明らかとなった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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