研究分担者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30322233)
窪木 拓男 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00225195)
前川 賢治 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20304313)
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研究概要 |
本研究では重度変形性顎関節症の発症機序の解明と関節軟骨修復に遺伝子導入を応用することを目的に,(1)CTGF遺伝子を組み込んだアデノウイルスを培養軟骨細胞に導入してその影響を検討するとともに,(2)実験的変形性顎関節症モデルの作製し変形性顎関節症の発症メカニズムについて解析した. 1.CTGFの遺伝子導入により細胞数は約1.4倍に増加した. 2.CTGFを遺伝子導入した細胞では,CTGF遺伝子の発現が増加しており,CTGFタンパクも産生された. 3.CTGFの遺伝子導入により,軟骨細胞の分化マーカーであるアグリカンとtype Xコラーゲン遺伝子発現も遺伝子導入後7日目まで増加していた.また,プロテオグリカン合成も有意に上昇した. 4.日本白色ウサギに強制開口行うことにより,ウサギ顎関節部に軟骨組織の象牙化や骨棘形成など,変形性顎関節様の変化を引き起こした. 5.骨棘形成周囲の肥大軟骨細胞に軟骨細胞のアポトーシスが認められた。 6.アポトーシスを起こしている軟骨細胞の周囲にNO産生細胞やMMP-3産生細胞が存在していた. 以上の結果より,軟骨細胞にCTGFを遺伝子導入することにより,軟骨細胞の細胞増殖だけでなく細胞分化も促進されることが明らかになった.また,軟骨基質欠損部にCTGFを応用することにより自己軟骨細胞による軟骨修復の可能性が示唆された.さらに,顎関節部に加えられた過剰なメカニカルストレスは,NOの産生を誘導し,軟骨細胞のアポトーシスとMMP3の産生を介して軟骨破壊を引き起こしていることが示唆されました.本研究で作製した変形性顎関節症モデルが,in vivoでの遺伝子導入による関節軟骨修復研究の進歩につながると推測される.
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