研究課題/領域番号 |
14571845
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
津賀 一弘 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (60217289)
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研究分担者 |
吉田 光由 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50284211)
久保 隆靖 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60240876)
赤川 安正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00127599)
日浅 恭 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60304432)
田地 豪 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80284214)
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キーワード | 高齢者 / 嚥下 / 舌圧 / 機能評価 / 診断 |
研究概要 |
本研究の目的は.20歳代から80歳以上の年代別の最大舌圧標準値を求めること、さらに、歯の欠損、補綴装置の形態の影響、誤嚥との関連も明らかにし、最大舌圧標準値を指標とする舌機能診断を新たに確立することにある。本研究は、大規模臨床疫学調査に適した手法で舌圧に関する治療上の科学的証拠を求めようとするもので、世界初の試みと位置づけられる。本年度は、昨年度に引き続き広島大学歯学部倫理委貞会の認可を受けて、各年代層成人男女合計1229名(18〜39歳:311名、40〜59歳:99名、60〜79歳:429名、80歳以上390名)を被験者とし、(1)口腔内診査(2)咀嚼・嚥下障害の問診と反復唾液飲み試験(3)ディスポーザブル・プローブを用いた舌圧測定を行なった。 その結果、自覚的・他覚的に嚥下障害を認めない被験者については、ディスポーザブルプローブを用いて測定した最大舌圧はI8〜39歳:42±11kPa,40〜59歳:39±12kPa、60〜79歳:32±11kPa、80歳以上23±11kPaと、各年代層の標準値を求めることに成功し、加齢と共に低下する傾向が明らかとなった。 さらに、60歳以上では反復唾液飲み試験の結果より嚥下機能の維持されている被験者の最大舌圧が29±12kPaであるのに対し、嚥下機能の低下している被験者では21±12kPaと低い値を示すことが明らかとなり、嚥下の中心的役割を果たす舌の機能診断法の指標として最大舌圧値を利用することの有用性を示すことができた。
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