研究課題/領域番号 |
14571855
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
越智 守生 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (50169322)
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研究分担者 |
加々見 寛行 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (00316267)
広瀬 由紀人 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40244868)
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キーワード | 多血小板血漿 / 骨形成促進 / 容量結合型電場刺激法 |
研究概要 |
PRPの骨形成促進能を検討するため、ウサギ頭頂骨に実験母地を形成後、容積を規定した半円球状のキャップを遮断膜の代用として使用し、垂直的骨増生を行った。キャップに充填した担体ごとに、(担体なし、コラーゲン、β-TCP、アルギン酸ナトリウム、アトロピン)骨形成の影響を観察し、それらの担体とPRPの複合体を作り、PRPの骨形成促進効果を検討した。 実験動物には日本白色ウサギ(オス約2.5kg)を用いた。術後、8週間でウサギを屠殺し、灌流固定した後、キャップを含む頭頂骨を採取し、キャップ内の垂直的骨増生の病理組織学的検討を行った。 評価方法として 1.矢状縫合と平行にキャップの中央付近を切断し、非脱灰研磨標本を作製後、塩基性フクシン・メチレンブルー重染色にて、骨形態計測と組織学的観測を行った。 2.画像解析装置を用いて、塩基性フクシン・メチレンブルー重染色標本の新生骨様組織の面積率を求めた。 結果 1.組織像において新生骨は既存骨と連続していた。 2.β-TCP群、PRP/β-TCP群ともに新生骨がβ-TCP顆粒の周囲に観察された。また、キャップ底面部において、β-TCPを多く吸収していた。 3.担体別では、画像分析の結果、β-TCP>コラーゲン>担体なし>トロンピン>アルギン酸ナトリウムの順で骨の増生量は多かった。(キャップ全体に対する新生骨量の割合は、β-TCPでは約20%、コラーゲン約10%、その他の担体は10%以下であった。) 4.担体とPRP/担体の複合体を比較した場合、全ての群においてPRP/担体複合体が骨の増生量は多かった。 これらの結果よりβ-TCPを担体として用いた場合、新生骨組織の増生が確認された。またPRPを併用することで更に増生に有利に働いたと思われる。今後、容量結合型電場刺激法を用いることでさらなる骨形成促進効果について検討していく予定である。
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