研究概要 |
PRPと容量結合型電場刺激(CCEF)法を併用した骨形成促進効果を検討するため、ウサギ頭頂骨に実験母地を形成後、容積を規定した半円球状のキャップを遮断膜の代用として使用し、垂直的骨増生を行った。キャップに充填したβ-TCPとPRPの複合体を作り、PRPの骨形成促進効果を検討した。(平成14年度)その後,PRPとCCEF刺激法を併用したものの骨形成促進効果を検討した. 実験動物には日本白色ウサギ(オス約2.5kg)を用いた。術後、CCEFの刺激装置(OSTEOTRON II)を用いて埋入翌日より1日8時間の刺激を行った.4,8,12,16週間でウサギを屠殺し、灌流固定した後、キャップを含む頭頂骨を採取し、キャップ内の垂直的骨増生の病理組織学的検討を行った。 評価方法として 1.矢状縫合と平行にキャップの中央付近を切断し、非脱灰研磨標本を作製後、塩基性フクシン・メチレンブルー重染色にて、骨形態計測と組織学的観測を行った。 2.画像解析装置を用いて、塩基性フクシン・メチレンブルー重染色標本の新生骨様組織の面積率を求めた。 結果 1.4,8週の実験期間においてPRPを併用しないβ-TCPにCCEF刺激を行ったものと,行っていないものとでは骨面積比率で1.3倍から1.4倍の差があり,CCEF刺激法の新生骨形成促進効果が認められ,その効果が比較的早期に現れることが確認された.またCCEF刺激によって作られた骨の緻密化も認められた. 2.4,8週の実験期間においてPRP/β-TCP複合体とCCEF刺激による併用モデルの骨の増生量は多かった。 以上のことから、PRPに容量結合型電場刺激法を使用することで新生骨形成促進効果が増強されたことにより,PRPと容量結合型電場刺激法を併用することで治療期間短縮の可能性が示唆された.
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