研究課題/領域番号 |
14571857
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (90186669)
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研究分担者 |
小西 洋次 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00195760)
石島 勉 北海道医療大学, 医療科学センター, 教授 (60211041)
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80014273)
木花 八友 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20337033)
横山 雄一 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (50295903)
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キーワード | 嚥下機能 / 姿勢 / 超音波診断装置 / 嚥下音 / Videoflolografy |
研究概要 |
嚥下機能に障害がある患者への対応の一つとして、嚥下時の姿勢による誤嚥の回避が行われている。この姿勢による誤嚥回避については、試行錯誤による経験によって最も適切な姿勢が設定されている。したがって、姿勢の変化による嚥下機能の変化を定量的に評価できるならば、的確な嚥下時の姿勢指導ができるようになると考える。そこで、嚥下時の姿勢が嚥下機能におよぼす影響を検討することとした。 本研究の被験者として、顎口腔系機能に自覚的・他各的に異常が認められない個性正常咬合を有した本学男子教職員10名を選択した。なお、実験はすべての被験者に対してその趣旨を十分に説明し、同意を得た上で開始した。舌運動の観察には、今回購入した探触子を接続した超音波診断装置を用いた。試験食品は、摂食・嚥下機能障害患者に対する食品の粘度調整材として用いられているムースアップ【○!R】(フードケア社)を30mlの水に6g溶解したものを使用した。嚥下試験に際しては、3mlの試験食品を一塊として嚥下するように指示した。嚥下時の姿勢に関しては、被験者をデンタルユニットに座らせ、座位、30度仰臥位、仰臥位の3種類に規制した。座位では健常者が嚥下を行う頭位であり、30度仰臥位では介護の現場などに使用されている頭位であり、仰臥位は、寝たきり状態を想定した頭位である。各頭位ごとに、この試行を3回繰り返した。 さらに、10名の被験者うちの5名を対象として、Videoflolografyによる嚥下試験時の同時記録を行い、VF画像による記録結果と、超音波画像による記録結果との一致性について検討を行った。 全ての頭位において、S1(第一嚥下音)が常にT4(食塊送り出し開始時点)よりも先行して発現していることが示された。さらに、頭位を座位、30°仰臥位、仰臥位と後方に傾斜させるに従いT4とS1との差が増大する傾向が認められた。なお、座位と仰臥位との間には統計学的な有意な差が認められた(p<0.05)。
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