研究概要 |
ヒト抜去前歯を解剖学的歯頸部より切断し、歯冠部の髄腔内容物を機械的に除去し、ミニバイアル瓶を根管と想定し、歯冠部のみをミニバイアル瓶に植立する。ミニバイアル瓶中にはリン酸緩衝液を模擬髄腔液として用い、漂白処理後の模擬髄腔液中の過酸化水素水の濃度を、過酸化水素計を用いて測定する。標準濃度の過酸化水素水を作製し検量線法にて定量を行った。 本実験に先立ち,過酸化水素の定量法として確立しているルミノール反応を応用した方法で過酸化水素量の定量を行った。発光試液にはルミノール溶液、反応緩衝液としてトリズマベース、増感剤としてホースラディッシュ パーオキシダーゼを用いた。 セメント・エナメル境界部で切断した歯冠部のみをバイアル瓶に植立、外部からの液成分の浸入がないように、シリコーン、ワックス、ネールバーニッシュで封鎖した。250μlバイアル瓶中に100mMのリン酸緩衝液を200μl注入し、模擬髄腔液とした。メーカー指定の方法で漂白操作を行い、バイエル瓶中の溶液100μlを採取し、ルミノール反応測定用の溶液は測定10分前に混合作製しておき、試料溶液と混合後、瞬時にルミノメータ(ルマットLB9507)にて175秒間の発光量をカウントし、過酸化水素の量を測定した。HI LITE(過酸化水素濃度(30%)の前処理がない場合、2回目の漂白で0.02mM、リン酸エッチング後に漂白操作を施した場合2回目で0.10mMの過酸化水素が測定された。過酸化尿素について歯髄腔への浸透を同様に測定したが,過酸化水素に比較して有意に少なくなった。 現在本申請で購入した過酸化水素計にて実験を進めており,結果について報告する予定である。
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