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2004 年度 実績報告書

歯の漂白は酸素ラジカルの発生による(歯の漂白の機序と活性酸素による歯質への影響)

研究課題

研究課題/領域番号 14571863
研究機関東京歯科大学

研究代表者

河田 英司  東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40147260)

研究分担者 渡辺 弘樹  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00158651)
キーワード生活歯 / 漂白 / 過酸化水素 / 活性酸素 / ヒドロキシラジカル / 金属イオン / 可視光線 / 象牙質
研究概要

過酸化水素の浸透
我々が考案した人工根管を付与した、ヒト歯歯冠部に高濃度過酸化水素水を用い漂白操作を行った結果、大量の過酸化水素が根管中で計測された。これは漂白操作によって、過酸化水素が歯の構造物であるエナメル、象牙質を通過して浸透したことを意味する。
過酸化水素の分解
過酸化物を用いた歯牙漂白法には,(1)高濃度(約30〜35%)の過酸化水素に光を照射する方法,(2)高濃度の過酸化水素に熱を与える方法と(3)過酸化水素に2価の鉄イオンを混ぜる方法があり,これらの方法では為害性が最も高い活性酸素種のヒドロラジカル(・OH)が発生する。すなわち,(1)では過酸化水素の光分解で、(2)では熱分解反応で・OHが発生する。鉄イオンが混ざると活性酸素が発生するとされている。さらに過酸化水素(H_2O_2)は電気的に中性なので細胞膜に対し大きな透過性を有することである。すなわち細胞に侵入し細胞内の微量金属(赤血球の鉄イオンなど)と反応して細胞機能を障害することが考えられる。また,過酸化水素は露出した象牙細管やセメント細管に入り込み,細胞内で・OHとなってこれらの細胞に障害を与える可能性は高いと考えられる。
漂白による歯の形態学的変化および成分の溶解
漂白操作による歯の表面の粗造化は周知の事実である。この粗造化によって光が散乱し漂白効果を発現するとの説もある。我々は、漂白後の歯の割断面の観察によって微細組織の形態学的変化を観察している。多少の変化を認めるがまだ断定できる状況にはない。しかし、過酸化水素水中への歯の浸漬で歯質成分の大量の溶解が認められた。このことは漂白によって歯質の構造物が溶解し、その間隙を通り歯髄腔、根管に漂白剤が到達する可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2003

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] An evaluation of the penetration of peroxide from tooth-whitener2003

    • 著者名/発表者名
      K.YAZAKI, E.KAWADA, Y.ODA
    • 雑誌名

      Biomedical Research Vol24;No6

      ページ: 325-330

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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