研究概要 |
口腔癌悪性腫瘍組織、または前癌病変と正常組織から抽出・精製したDNAおよびRNAを用いて、以下の事項を調べ、明らかにした。 1)CDKN2A/p16遺伝子に関しては25例の口腔扁平上皮癌のうち12例(48.0%)にhypermethylationが認められた。 2)APC遺伝子に関しては口腔扁平上皮癌36症例中8例(22.2%)で発現減弱が認められ、CPG islandnのメチル化が10例(27.8%)に認められた。 3)FEZ1遺伝子に関しては口腔扁平上皮癌31症例中11症例で発現減弱・消失を認め、そのうち8例にhypermethylationを認めた。 4)p73遺伝子に関しては口腔扁平上皮癌101症例中83%で発現減弱を認めたが、hypermethylationは一例も検出されなかった。 5)DNA methyltransferase (DNMTs ; DNMT1,DNMT3A, DNMT3B)は非常に高い発現を認め、その発現率はDNMT1で72%,DNMT3Aで56%,DNMT3Bで64%であった。 今後、さらに症例を増やし、かつ、遺伝子の種類を増やして、口腔癌における遺伝子発現減弱とmethyltransferaseとの関係を積めていく予定である。
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