研究概要 |
平成15年度:ストレス環境下アポトーシス誘導によるCDDP耐性の解除 平成14年度の実績より、1.2-DG(2-deoxyglucose)により与えたグルコース飢餓環境下において,A431/P細胞株はストレス蛋白をA431/CDDP2細胞株に比し強く発現し、CDDP処理によるストレスにおいてもA431/P細胞株はストレス蛋白をA431/CDDP2細胞株に比し強く発現した。2.グルコース飢餓環境下でのCDDP処理によりA431/P細胞株におけるストレス蛋白発現は経時的に明らかな増強を認めたが,A431/CDDP2細胞株では発現の増強を認めなかった。3.グルコース飢餓環境下におけるCDDP処理によりA431/P細胞株はCDDPに対して高感受性化を示しアポトーシスが有意に増加したが,A431/CDDP2細胞株ではほとんど変化しなかった。との結果を踏まえ今年度はストレス環境下アポトーシス誘導によるCDDP耐性解除の可能性を探った。 グルコース飢餓環境下でCDDP投与による各種アポトーシス関連因子の検討を行ったところ、グルコース飢餓環境下においてA431/P細胞株は、JNK1/SAPK、Caspase-3を経時的に強く発現するのに対して、A431/CDDP2細胞株はJNK1/SAPK、Caspase-3に変化は認められなかった。つまり、1.CDDP耐性機構にGRP78タンパク亢進によるグルコース飢餓環境が関与する。2.その耐性にはJNK1/SAPK、Caspase-3が関与するグルコース飢餓環境下アポトーシス誘導の抑制によるものであることが判明した。
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