研究課題/領域番号 |
14571893
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小泉 浩一 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30335682)
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研究分担者 |
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
林堂 安貴 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70243251)
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キーワード | VEGF / 口腔癌 / NSAIDs / COX-2 |
研究概要 |
口腔由来扁平上皮癌細胞株KA、NA、UE、NI、KO、唾液腺由来腺癌細胞株HSG、HSYにおいて、VEGFの発現をreverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)法にて検出した結果、これら腫瘍細胞株において4種類のスプライシングバリアントからなるVEGF-mRNAの発現を認めた。さらに、バキュロウイルス発現系を用いて作製した遺伝子組み換え型VEGF165(rVEGF165)を放射性ヨード標織し結合試験を行った結果、これらの腫瘍細胞株において、VEGFの結合部位が認められた。上記の結果からVEGFは口腔癌細胞の増殖・転移における血管新生に関与していることを示唆している。 また、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の標的酵素であるシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)の発現をRT-PCR法にて検討した結果、口腔由来扁平上皮癌細胞株KA、NA、NI、KO、唾液腺由来腺癌細胞株HSG、HSYにCOX-2mRNAの発現が認められた。しかし、口腔由来扁平上皮癌細胞株UE、正常ヒトケラチノサイトおよび正常顎下腺細胞にはCOX-2mRNAの発現は認められなかった。さらに、ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)による細胞増殖抑制試験を扁平上皮癌細胞株を用いて行った結果、KA、NA、NI、KO細胞株は100μMの濃度で増殖が抑制されたが、UE細胞株は1mMの濃度まで増殖は抑制されなかった。 このことより、COX-2発現は細胞増殖に関与していることが示唆された。
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