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2002 年度 実績報告書

唾液腺腫瘍における癌抑制遺伝子Maspinに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14571899
研究機関徳島大学

研究代表者

板東 高志  徳島大学, 歯学部, 助手 (80208727)

キーワード唾液腺 / maspin / p53
研究概要

本年度の研究では,初代培養唾液腺細胞,唾液腺癌細胞株(HSG, HSY, TYS),HSG細胞を脱メチル化剤で処理することにより得られた細胞株(HSG-AZA1),SV40mtantDNAの導入により不死化した唾液腺細胞株(NS-SV-DC, NS-SV-MC)および唾液腺良性腫瘍(多形性腺腫,ワルチン腫瘍),唾液腺悪性腫瘍(腺様嚢胞癌,腺癌),正常唾液腺におけるmaspinの発現を検索し,p53との関連性につき検討した。その結果,初代培養唾液腺細胞,HSG, HSG-AZA1, HSY, TYS, HSG-AZA1およびNS-SV-DC細胞において,細胞質にmaspinの発現を認めた。NS-SV-DC細胞はmaspinの発現量が低下しており,NS-SV-MC細胞はmaspinを発現していなかった。また,初代培養唾液腺細胞では,筋上皮細胞にmaspinの発現を認めた。HSG, HSG-AZA1およびHSY細胞のp53は,core domainに変異は見られず転写活性化能を保有していたが,NS-SV-DCとNS-SV-MC細胞のp53は,SV40T抗原との結合により転写活性化能が低下していた。TYS細胞のp53は,core domainに点変異を有しておりP53の分解遅延を認めたが,転写活性化能を保有していた。正常唾液腺,多形性腺腫およびワルチン腫瘍では,上皮細胞の細胞質にmaspinの発現を認め,P53は検出されなかった。また,正常唾液腺および多形性腺腫では,筋上皮細胞にmaspinの高発現を認めた。腺様嚢胞癌および腺癌では,腫瘍細胞にmaspinの発現を認めず,P53が染色される腫瘍細胞が散在していた。以上の結果より,唾液腺細胞および唾液腺良性腫瘍はmaspinを発現していることが示された。また,唾液腺細胞においても,maspinの発現にp53が関与していることが示唆された。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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