研究課題/領域番号 |
14571902
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西原 一秀 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 講師 (30253892)
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研究分担者 |
野添 悦郎 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (40208351)
三村 保 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (70028760)
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キーワード | 多血小板血漿 / 唇顎口蓋裂 / 顎裂部自家腸骨海綿骨移植 / アルミニウム当量値 |
研究概要 |
本年度の研究実績 1.Smart Prepシステムを用いたPRP(Platelet Rich Plasma、多血小板血漿)の作製 これまでPRPはさまざまな方法で精製されてきたが、今回、患者のPRPを効率良く回収するために米国FDAがPRP精製機器として唯一承認している全自動医用遠心機Smart PrepシステムSMP-1000(Harvest社)を本研究室に購入、設置した。 患者に対する臨床使用前の予備実験として採血からPRP精製までの各手技を行い、Smart PrepシステムSMP-1000によりPRPが簡単に、確実に精製できることが判明した。 2.顎裂部自家腸骨海綿骨移植に対する評価方法の確立 顎裂部自家腸骨海綿骨移植部の治療成績を口内法デンタルX線写真にてアルミニウム当量値の分析ならびに骨架橋部の歯槽頂側辺縁と鼻腔側辺縁の高さおよび幅を測定し、評価した。また、腸骨移植顎裂部の移植床の容積をボーンワックスにより測定し、術中の移植骨の重量から移植骨密度を算出することとした。 移植骨密度によるデンタルX線写真のアルミニウム当量値の変化ならびに骨架橋幅の術後成績についてPRPを使用しなかった唇顎口蓋裂患者20名で検討した結果、判別点2.98g/cm^3の移植骨密度で良好群と不良群が分かれることが判明した。さらに、移植骨のアルミニウム当量値は、術後3ヶ月までは両群ともに低下する傾向を示し、良好群は術後6ヶ月で上昇していた。 今後は、患者から得られたPRPを顎裂部腸骨移植時に移植骨と合わせて使用し、移植骨密度と口内法デンタルX線写真による術後治療成績による評価をPRPを使用しなかった患者の治療成績と比較し、PRPの有用性を検討する。
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